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どれくらい時間が経っただろう。
にわかに、廊下の前を通る人が増え始めた。
部屋風呂以外に露天風呂もあるから入りに行くのかな。
様子を伺っているけどアイコとマコトは出ていった感じはない。このまま出てこないかも。
小一時間ほどで櫻井さんが帰ってきた。
「ごめんごめん、ちょっと遅くなった」
「いえいえ全然！」
「紅茶買ってきたよ」
櫻井さんが私の前にすぐ飲めるようにペットボトルの紅茶を持ってきてくれた。
外は寒かったのか、頬は青白く唇は赤くて、目はキラキラしている。
「白雪姫……」
「ん？なんか言った？」
「いえいえ何も！部屋にドリップコーヒーのパックあったのでコーヒー淹れましょうか？」
「え！いいの？お願いしようかな」
櫻井さんが黒いロングコートを脱いでハンガーにかけながら振り返って微笑む。
「お安い御用です」
「ありがとう。……どう？何か進展あった？」
「ずっとモニター見てましたけど、マルタイは通りませんでしたよ」
「ん」
櫻井さんがフー、とため息を吐きながら座った。
「この調子だと、二人の様子見れないかもなぁ。露天風呂行くとは限らないし」
「そうですね、お部屋の露天風呂に入ったらチェックアウトまで見ないことになりますよね」
「俺らの居る意味……」
櫻井さんがげっそりした表情で長い足を放り出した。
コーヒーを淹れて櫻井さんの前に置く。
「どうぞ」
「ありがと」
「ちょっと聞いていいですか？」
私の質問に櫻井さんが少し目を上げて、うん、と答える。
「ふつう浮気調査だと、宿泊施設に入るところを写真に撮ったり、いちゃつく場面写真に撮れれば証拠となりますよね、さっきちょっと浮気調査のこと調べました」
「ああ、うん」
「社長さんは、高いお金を払って私達をここに泊めてまで一体何を監視したかったんでしょう？スパイとこの旅行は関係なさそうなのに」
「……うーん」
何か変。何か。
もやもやして考え込んでいたら櫻井さんが私の顔をじーっと見ていることに気づいた。
「えっ」
「ねぇ」
「はい」
「違和感あるからって勝手な行動取らないでね、マジ迷惑だから」
「……でも」
「まさか……何か気づいた？」
「えっ、何かって……」
「……」
じっと見つめられてゾクッとした。
カッコイイ！って言うにはちょっと。
なんか違う。怖い。
「何も気づいていませんし、気づいても知らないふりしたらいいですか？」
櫻井さんがじいっと私を見た。
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松本りいな - 完結おめでとうございます！脳内回転させながらいつも楽しく読ませていただいています♡よしのさんの作品を中学生から読み始めて、今年社会人になりました！これからも愛溢れる素敵な作品を待っています♡お身体お大事にしてください☺︎ (4月18日 23時) (
レス) @page50 id: 714d7c5eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - よしのさん、完結おめでとうございます。いつも楽しく読ませていただいています。この探偵シリーズで2人の進展がみられたら嬉しいです！短編でも長編でも楽しみにしています♡無の証明も好きです！いつも素敵なお話をありがとうございます。 (4月13日 23時) (レス) @page50 id: 4eca2027db (このIDを非表示/違反報告)
みず - 完結おめでとうございます！ご婦人の正体、最後までわかっていなくて、読んだ時私も一緒に汗が出てきました(笑)最近よしのさんを知り、過去作品を漁って日々楽しく読ませていただいています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 90243a1d25 (このIDを非表示/違反報告)
うぉーるなっつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そして素敵なお話をありがとうございます！なんとなく読んでいる中に様々な伏線があり、最後の終わり方含めさすがよしのさんです！！改めて頭から読み直そうと思います👏そしておふたりの探偵物語も首を長くしてお待ちしています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 9a0230b096 (このIDを非表示/違反報告)
奏稀(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開に興奮が止まらないです…！！素敵なお話をありがとうございました😊 (4月9日 12時) (レス) @page50 id: c1b9d68e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月31日 12時
