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はぁ、はぁはぁ。
ケホケホ。
周りを見渡す。殆どの人が無事逃げ切れたようだ。
櫻井さんが、私の頭をなでなでした。
「ん？」
「頑張ったな、偉い」
「あ……じゃあもっと褒めて！」
そう言いながら斜めがけにしたバッグから櫻井さんのスマホと財布を取り出す。
「すげーA！」
「櫻井さんのコートは、あのご主人に持っててもらいました、私のコートはあの奥さんが着てます」
櫻井さんがそっちの方を見て、タタタ、と駆け寄った。
旦那さんからスミマセン、と言ってコートを返してもらってる。
「？」
「A、お前マジ最高。助かった」
櫻井さんが私に櫻井さんのコートを着せてくれて、え、大丈夫です、と言おうとしたら、私の体をギューって抱きしめてきた。
「うへ！」
「ありがとう、これでなんとかなる」
「なになに！」
「全部終わったら説明する」
そう言いながら、コートのポケットの中に入っていた小さなビニール袋のようなものを自分のポケットに入れた。
善意の第三者の通報のおかげで、割と早く消防車が来てくれたようで、爆発や全焼はせず、消火された。
ただ、気づかず中に居たら、煙で一酸化炭素中.毒になって命に危険が及ぶ程度には危なかったと。
何人か調子が悪くなった人や怪我をした人もいて、救急車に乗せられて運ばれた人もいた。
さっきの子連れのママもそうだ。
旦那さんは朝風呂に行ってたらしく、母子の姿を見つけて泣きながら子供を抱きしめている姿を見て少しホッとした。
消防車とパトカーと、避難してる人でごった返しているロータリーで、櫻井さんがスマホを見てこっそり私に耳打ちした。
「通報してくれた善意の第三者、大野さんたちだった」
「なるほど、消防車のくる早さ納得です」
「……アイコとマコト、居ないな……ヤベ……目離すなって言われたのに……」
「でもこれは仕方ないですよ……」
「……」
櫻井さんが意を決したように、消防の人と警察に声をかけに行った。
「俺達の隣の部屋の人たちが出てきていないようなんですけど。ノックしたんですが反応がなくて」
「え、それはどこですか」
櫻井さんが消防士さんに説明して、消防士さんが無線で伝えている。
「櫻井さん……」
「……」
青白い頬をかすかに震わせて、櫻井さんの瞳が翳った。
心配そうに旅館の方を見守っている。
突然、周りがバタついた。
無線で、発見、心肺停止、という声が聞こえた。
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松本りいな - 完結おめでとうございます！脳内回転させながらいつも楽しく読ませていただいています♡よしのさんの作品を中学生から読み始めて、今年社会人になりました！これからも愛溢れる素敵な作品を待っています♡お身体お大事にしてください☺︎ (4月18日 23時) (
レス) @page50 id: 714d7c5eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - よしのさん、完結おめでとうございます。いつも楽しく読ませていただいています。この探偵シリーズで2人の進展がみられたら嬉しいです！短編でも長編でも楽しみにしています♡無の証明も好きです！いつも素敵なお話をありがとうございます。 (4月13日 23時) (レス) @page50 id: 4eca2027db (このIDを非表示/違反報告)
みず - 完結おめでとうございます！ご婦人の正体、最後までわかっていなくて、読んだ時私も一緒に汗が出てきました(笑)最近よしのさんを知り、過去作品を漁って日々楽しく読ませていただいています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 90243a1d25 (このIDを非表示/違反報告)
うぉーるなっつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そして素敵なお話をありがとうございます！なんとなく読んでいる中に様々な伏線があり、最後の終わり方含めさすがよしのさんです！！改めて頭から読み直そうと思います👏そしておふたりの探偵物語も首を長くしてお待ちしています！ (4月9日 20時) (レス) @page50 id: 9a0230b096 (このIDを非表示/違反報告)
奏稀(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開に興奮が止まらないです…！！素敵なお話をありがとうございました😊 (4月9日 12時) (レス) @page50 id: c1b9d68e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月31日 12時
