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凄い。いつも乱歩さんが見てる探偵社の中の光景ってこんな感じだったんだ。なんていうか、優越感。

「どれどれ……嗚呼、2週間前の事件からまとめてるのか」

左側からにょきっと首を出して資料を読み始める乱歩さん。


近い。



近すぎて彼の顔を見ることすら緊張してきた。ただ、玩具にされまいと必死に悟られないように目線を資料に固定する。


…でも

近いし顔が良いし匂いも良いし声も良い!!
頭の中にあるくらいドキドキ忙しなく鳴っている心臓に怒りを覚えつつ、その声に耳を傾ける。


「ちょっと、せっかく僕が話してんのに上の空ってどういう事?メモくらい取れば?」
『す、すいません…』

「…そうだな…。わかった、この10日前の事件は簡単で実につまらなかった!その場の状況は教えてやる。じゃ、名探偵Aが解いてみよーう!!」



『いや無理ですって!!乱歩さんの簡単って難易度極じゃないですか!』

くそ、ドキドキしている場合じゃなかったぞ!二葉亭A!

相変わらず近い距離で、いつもの私で遊ぶ時の楽しそうな顔を見せながらつんつん資料を指している。


「ふふ、君は莫迦だもんね?全く仮にも探偵社員なんだからこれくらいの推理くらいして貰わないと名乗る資格もないぞ」


いつまで経っても取り出して仕舞わない眼鏡をチラチラ見せて私を急かす乱歩さん。
ダメ元で内容に目を通すも、この日報告書を書いたのは乱歩さんなのか、わかりやすい記述もなければもちろんヒントすらもない。



「その日は雨だったな。被害者の出血はそこまでなかったよ、それに」


自分の横にあった影が遠ざかり、やっとまともに彼がみれるようになったかと思えば、ゆっくり机の周りを歩き始めた。
そうそう、なんてどこかの役者ばりの演技でわざとらしく事件の経緯を語っている。

どうせ分からないだろうし、そもそも簡単にわかるようなヒントなんて出してくれないで

「出してくれないであろうと高を括ってるだろ。」
『うっ』
「…はぁ、ほんっとーに君は僕が居ないと駄目なんだから。ねぇ、与謝野さん?」




「ん〜?そうだねェ、その事件は妾も同行したけど…。ふふ、乱歩さんにしては随分珍しい事するじゃないか」

二人で何やら大人の話、みたいな事をし始めて与謝野女医は兎も角、乱歩さんまで含んだ言い方をしている。






もう机の周りを3週くらい周りそうな頃、乱歩さんは私と机を挟んだ位置で止まった。

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- 1話の太宰さんの下の方から潰された蛙の様な声がするで笑ってしまいました、笑 (2023年4月22日 14時) (レス) @page2 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!私は正直なところ今まであまり乱歩さんを意識したことがなかったのですが、この作品で沼にドボンしました……有難うございます!お疲れさまでした。 (2023年4月9日 23時) (レス) @page42 id: d368e0b18f (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - 梅原さん» わわ、嬉しいです!一緒に乱歩さんの沼にはまり落ちましょう……!! (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - モンブランさん» わー!嬉しい!ありがとうございます💕なかなか喋らせるのに苦戦してます…笑笑 (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
梅原(プロフ) - アニメ見て乱歩さんいいなと思っていた時にこの小説に出会いました。久々に面白いものが読めてテンションあがりました。。。 (2023年2月20日 19時) (レス) @page32 id: ecb93650e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小榛 | 作成日時:2023年1月8日 11時

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