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「すまないが此書類の整理を頼む」
『わかりました。此方はどうしますか?……って大丈夫ですか?』


国木田さんに事件の書類整理の話をされている、が
冷や汗をかきながら必要以上に眼鏡を上げ下げして、落ち着かない様子の国木田さんに触れないことなんて出来ず、話を遮ってしまった。

「す、すまない態度に出てしまっていたか…?」

『結構わかりやすいですよね、困り事ですか?』


「いや、そういう訳では無い。今から会う依頼人が少々俺にとって憧れている人物でもあってな」

『あ、もしかして手帳の方ですか?以前いらっしゃってましたよね』
「そうだ。前回はお会い出来なかったからな。くそ、時計の針の位置が気になって仕方がない」


手帳の予定表を開き何度も腕時計を確認する国木田さん。
これはどうもそっとしておいた方が良さそうな気がする。いつもご苦労様なので、幸せを噛み締めて欲しい。



『私に任せてください!しっかり終わらせておきますよ。国木田さんは万全な外出の準備してください!』
「すまないがそうしてくれると助かる。」

パタリと優しく閉じた手帳をしまって、もう一度時計を見たあと資料を丁寧に渡してくれた。




「嗚呼それと、その資料の殆どが乱歩さんの解決した事件だ。詳細が知りたければ声をかけるといい。」








それを早く言ってください。






すみません終わらせられる見込みが無くなりました。

『く、国木……なんでもないです…お気をつけて!!!!』


後半投げやりに見送って、資料を睨む。くそ、これは結構しっかり、ちゃんと聞かないと中身がわからないやつだな?

振り返って乱歩さんの机を見ると、机に座っていて、また此方を見ていたのか少しして首を傾げた。

「何?どこがわかんないの?」

やっぱり私の状況はお見通しな様だったが、意外にも協力的なようで、眼鏡を取り出して手招きしてくる。

自分の机に置いてある万年筆をとって乱歩さんの机へと足を進めた。




「よし、座って」
『え?ここにですか?』

軽々しく机から飛び降りて、流れるように椅子を指す。
上司、いや本社を支える名探偵の椅子に?
背もたれをくるりと回して、ほらほらと催促し始めたので慌てて座る。

『う、うわ…ふかふかだ…いいんですか?』
「うんうん、今から君が名探偵だ!よーく嗜むように!」
『はーい……はい?』

また鮮やかに背もたれを回して、私が机に向かう位置になった。

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- 1話の太宰さんの下の方から潰された蛙の様な声がするで笑ってしまいました、笑 (2023年4月22日 14時) (レス) @page2 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!私は正直なところ今まであまり乱歩さんを意識したことがなかったのですが、この作品で沼にドボンしました……有難うございます!お疲れさまでした。 (2023年4月9日 23時) (レス) @page42 id: d368e0b18f (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - 梅原さん» わわ、嬉しいです!一緒に乱歩さんの沼にはまり落ちましょう……!! (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - モンブランさん» わー!嬉しい!ありがとうございます💕なかなか喋らせるのに苦戦してます…笑笑 (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
梅原(プロフ) - アニメ見て乱歩さんいいなと思っていた時にこの小説に出会いました。久々に面白いものが読めてテンションあがりました。。。 (2023年2月20日 19時) (レス) @page32 id: ecb93650e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小榛 | 作成日時:2023年1月8日 11時

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