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ページ37








「君が小林?邪魔するよ。って何この部屋寒!全く君は空調管理すら出来ないの?この僕が態々出向いて来てやってるというのに?事の重大さがわかってないようだな」

『ら、乱歩さん、!』




ふてぶてしく私の隣に座って嫌に相手の隙を付く乱歩さん。

案内された客間に入り、御相手の顔が見えた瞬間あからさまに嫌そうな顔をして態度が急変してしまったので私は頭を抱えていた。




思わず声をかけると黙って、とでもいわんばかりの顔をされたので大人しく座っていよう。


「えっと…お連れがいるとは聴いてましたが此方は?」

『あーと、私の上司の』
「婚約者の江戸川乱歩!だけど?」








婚約者。



大きな声を出しそうになった時、正座してる脚の指を抓られて、私の声は無理やり捩じ伏せられた。
確かに婚約者と言ってしまえば早急には終わるけど、




「、婚約者、ですか?」
「そう。僕とAは婚約関係にあるの。もう籍を入れる手筈も整ってるし、…ねぇ?」

『え?!あ、…あ、そ、そうですね。すみません小林さん』



最初に打ち合わせをしておくべきだったと深く後悔した。彼の頭脳で練られてる策に私なんかがついていける訳もないので唯振り回されている状態である。
この際どうにでもなれ




「し、然し私は、以前のお見合いの際に確認したはずだったと思うのですが…」

『あ、えっと、急遽親同士の関係で婚約致しまして、その〜、私自身も中々把握出来ておらず〜…』
「僕は普通に君の事好きだけどね」

『〜っ、』




上手く回らない頭と口に悪戦苦闘状態だ。
顔が熱い。心做しか矢張り身体が怠い様な気もしてくる。もう最悪だ。







「…っ、本当にそうなのですか??」

『は、はい?』







机に重ねていた手の上から更に小林さんの手が重ねられる。熱い視線がバチりと合って、眉をひそめながら苦しそうに口を開いた。
なんだ






「私には、貴方が望まないような婚約に思える。私は貴方が大切でして心からお慕いしております。ですので本当の事を……」


「まだ君分かんないの?僕とAの関係は決定事項な訳。これだから莫迦は困るんだよね。一々口にしないと分からないなんて本っ当に面倒臭いねぇ?生き辛くないの?それに例え嘘を云っているとしても君と関わりたくないのは一緒でしょ。後、手、触んないで。退けて」




マシンガンのように放たれる言葉の数々と溢れ出る嫌悪のオーラに圧倒される。
相当乱歩さんは頭に来ているようだ。

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- 1話の太宰さんの下の方から潰された蛙の様な声がするで笑ってしまいました、笑 (2023年4月22日 14時) (レス) @page2 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!私は正直なところ今まであまり乱歩さんを意識したことがなかったのですが、この作品で沼にドボンしました……有難うございます!お疲れさまでした。 (2023年4月9日 23時) (レス) @page42 id: d368e0b18f (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - 梅原さん» わわ、嬉しいです!一緒に乱歩さんの沼にはまり落ちましょう……!! (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - モンブランさん» わー!嬉しい!ありがとうございます💕なかなか喋らせるのに苦戦してます…笑笑 (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
梅原(プロフ) - アニメ見て乱歩さんいいなと思っていた時にこの小説に出会いました。久々に面白いものが読めてテンションあがりました。。。 (2023年2月20日 19時) (レス) @page32 id: ecb93650e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小榛 | 作成日時:2023年1月8日 11時

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