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＊
輪郭をなぞるように指を滑らせて耳を弄る。すりすりと優しく、刷り込むような手つきに嫌でも体は反応してしまって………。
『…う、』
目が覚める。
そう。最近この謎の官能的な夢を見てしまうのだ。きっかけはよく分からないけれど、此の前たまたま付いていたテレビで、少し大人なドラマをやっているのを見た。その日からな気がしている。
嫌に火照った頬を抑えて布団から出る。今日も仕事はあるのに…。悩みを抱えてる自分に溜息をついた。
＊
『おはようございまーす……』
「あ、Aさん！おはようございます！……あれ？Aさん香水変えました？」
『え？そうかな…？香水なんてつけてないけど…』
汗を流すためにお風呂に入ったからだろうか？
手首の匂いを嗅いでも特にしない。虎の嗅覚で何か感じるのだろうか。
『なんだろうね？とりあえずえっと……うん仕事しようか』
「敦ですAさん」
まだぱっと出てこない敦君の名前を再確認して机に向かう。なんだか敦君に冷ややかな目線を送られている気もするが…まぁ気にしない。うん。ごめんね
少し息をついてからパソコンを開いて、国木田さんに回す予定の資料の確認をし始めた。
＊
「Aさん、今日もお昼御一緒させて貰えませんか？」
『うーんナオミちゃん…！！ごめん！！もうちょい長引きそうなの、待たせたくないから今日はお断りするね？』
「わかりましたわ！頑張ってくださいね」
ナオミちゃんは相変わらず整った綺麗な顔で笑って退出して行った。心の中でごめんね！と土下座をしてキーボードを触る。
あちらこちらでお昼の話をしてたのでみんなもううずまきの方に行ってしまったのだろう。
私は正直終わる見込みも無いし、最近例の夢のせいで寝付きが悪く、早く帰宅したいのでお昼は抜きになるかな。
『うん、そうしよ。…ダイエットになるしね』
今にも鳴りそうなお腹にそう言い聞かせる。すっかり静かになった部屋の中で集中しよう、とスイッチを入れた。
「どーせ続かないでしょ。」
スイッチは切れた。
『な、いらっしゃったんですか？てっきり皆さんと一緒に下に行ったのかと』
「僕は社長に用があったから。皆居ないと思ったらそういう事だったのか」
辺りをくるりと見回してからにっこり口角を上げて、それはそれはご機嫌そうに歩き始めた。
嗚呼嫌だ、私をまた玩具にするんだ。彼とは反対に私の気分は急降下した。
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ゅ - １話の太宰さんの下の方から潰された蛙の様な声がするで笑ってしまいました、笑 (2023年4月22日 14時) (
レス) @page2 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます！私は正直なところ今まであまり乱歩さんを意識したことがなかったのですが、この作品で沼にドボンしました……有難うございます！お疲れさまでした。 (2023年4月9日 23時) (レス) @page42 id: d368e0b18f (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - 梅原さん» わわ、嬉しいです！一緒に乱歩さんの沼にはまり落ちましょう……！！ (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - モンブランさん» わー！嬉しい！ありがとうございます💕なかなか喋らせるのに苦戦してます…笑笑 (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
梅原(プロフ) - アニメ見て乱歩さんいいなと思っていた時にこの小説に出会いました。久々に面白いものが読めてテンションあがりました。。。 (2023年2月20日 19時) (レス) @page32 id: ecb93650e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小榛 | 作成日時：2023年1月8日 11時
