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可愛い後輩ちゃん ページ45

碧「…っ……ほんと、お人好しですね…」




悠木ちゃん、……いや、碧はぎゅっと手を握る。




碧「しょうがないですね。付き合いますよ、A先輩」




こうして、ひとつ年下の可愛い後輩が、友達になった。




碧「わたし、けっこう嫉妬深いんで、覚悟しといてくださいね?」

「りょーかい、気をつけるよ」




美術室に控えめな笑い声が響いて、それからチャイムが鳴った。

あの日の拓也は今の私と同じ気持ちだったんだろうか。怖くて、不安で、妙にドキドキして……そして少し照れくさい。

手を伸ばしたことを後悔しないように。握り返したことに責任をもって。




碧「今日はこれくらいにします。ありがとうございました」

「いえいえ、完成楽しみにしてるよ」

碧「……はい、がんばります」

「べつに頑張んなくていいよ。気楽にいこ」

碧「はい。……かげつ……A先輩は、思ったよりも随分フットワークが軽いんですね」

「そう?」

碧「ひとつの所にとどまらないというか、ふわふわとしていて掴みどころがないというか……」

「そんなことないよ。ずーっと同じところにいたこともある。置いていかれて、追いつくために走って、迷子になって。きっと今はぐるぐる同じところを回ってる」

碧「そうは見えませんね。確かに前は、わたしたちとはどこか違うところにいるような気はしてましたけど。自分やまわりの人間をフカンして、分析して、計算して」

「…今は?」

碧「少なくとも夏休み明けてから、何だか頑張れば触れられそうな距離にいる気がします」

「なる、ほど……?」

碧「難しいですよね、距離感って。人と人、自分と人、自分の中の内側と外側。それが上手く測れなくて、ずっとスランプだったんですけど……」




碧はにこっと可愛らしく笑った。




碧「ステキな絵が、描けそうな予感がします」

「………それはいい予感だね」

碧「はい!」

「さ、戸締りも片付けも終わったし帰ろうか、送るよ」

碧「はい!あ、買い食いとかしてもいいですか?わたしちょっと憧れてて……」

「いいね。どこ寄る?」

碧「駅前のカフェ…ドーナッツ屋さん…あ、クレープでもいいかも……」




携帯とにらめっこしている碧は、年相応の女の子に見えて可愛らしい。

ふと見上げた空には白い半月が浮かんでいて、夕方のグラデーションに滲んでいる。それから明日バイトがあるのを思い出して、小さくため息をついた。

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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時

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