三月のクローバーコレクト 2【声優】【学園モノ】

付き合いませんか ページ41

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梅「なら、俺と付き合いませんか」




放課後の図書室。告白され、断り、次のページに手をかけたその時だった。委員会の仕事でペアになった目の前の綺麗な男の子が、変なことを言い出した。




「……は？私に言ってる？」

梅「えぇ」

「なに急に……」

梅「よくわかんないですけど先輩、過去の恋忘れたいんでしょ？」

「なんでそんなこと……」

梅「誰に告白されても付き合わないのは過去の恋愛にとらわれてるんだろうと」

「それ実体験？」

梅「かもね」

「生意気な後輩だなぁ。そもそも恋愛する気がないとか思わないわけ？」

梅「去年とずいぶん雰囲気も態度も違いますから。それにさっきの、学校で二番目にイケメンって有名な男でしたけど」

「顔じゃないだよ、人ってのは」

梅「あ、そんな綺麗ごと言うタイプですか？」

「特に君みたいな子は嫌だなぁ。学校で一番目にイケメンって言われてる梅原くん」

梅「いいじゃないですか。人よけになりますよ？」

「だいたい君、私のこと好きなの？」

梅「分かりませんか？これでも心を開いてる方なんですが」

「………はぁ……」




歯を見せずに笑う梅原裕一郎と言う名の後輩は、読みにくい。本のいい匂いを肺いっぱいに吸い込んで、同じように含みを持たせたように微笑む。




「いいよ、付き合おっか」






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それから一年間付き合い、卒業式の日別れてからそのままだった。




(なつかしいなぁ。けっこう自暴自棄になってた頃だったっけ…)




あっちから告ってきたとはいえ、裕貴くんを忘れるために付き合うなんて我ながら馬鹿なことをした。




梅「なんならまた付き合います？」

「は？」

梅「恋愛、めんどくさいのかと思って。人よけになりますよ？」

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