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ブックワーム ページ40

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騒然と並ぶ本の数々。高い棚を前にして、私はプリントを片手に叫んだ。




「う〜めーーー」

梅「なんですか、花月さん」

「この本どこぉー?」

梅「また見失っちゃったんですか。あっちで見かけましたけど」

「お、せんきゅー」




このブラウンのエプロンを彼は、ひとつ年下の後輩。…と言ってもバイト先のだ。中学は一緒だが高校は違う。先月に偶然バイト先で再会した。




「新刊けっこう出てんね。買って帰ろうかな……」

梅「相変わらずのブックワームですね」

「頭の中の世界とこっちの現実が切り離れる感じがいいんだよ」

梅「何回も聞きましたよ。『少しでも現実を考えなくてすむから楽』って」




そうだっけ?……っと首を傾げつつカゴに本を出していく。




「そう言えば、なんでうめは本屋にバイト選んだの?本好きなの?」

梅「花月さん、…いやAさんと知り合う前は興味なかったけどね」




キザなこと言うなぁ。




梅「あんたが本読んでてぜんぜん俺の話聞かないから、しょうがなく付き合ってたらだんだん面白くなって読むようになったんですよ」

「へぇ、そうだったんだ」

梅「Aさん、俺のことなんてこれっぽっちも知ろうとしてなかったもんね」

「……怒ってんの?」

梅「まさか。あれも案外心地よかったし」

「よかった……」

梅「……へぇ、人の気持ちとか考えるようになったんだ」

「先輩に向かってひどい言いようだな」

梅「中学のときに比べて雰囲気も変わったし。なんかあったの?」

「んー……、強いて言うなら、最近友だちが出来たよ」

梅「………」

「……なんだよその顔は」

梅「いや、ほんとに変わったなって。そんなこと言う人だっけ?」




不思議そうに首を傾げる梅原。やる気のない声を出しながらテキパキと仕事をこなしていく。




「うめにはどう見えたんだよ」

梅「美人な先輩?」

「君にだけは言われたくないな……」

梅「……なんでもへらへら笑って、ひとりになると疲れたようにだれて、ほんとは誰も信じてないのに、人の裏は見たくなくて孤独になろうとする、昔の俺と似てる人」

「中二病みたいなやつだな。うめと話し出したの中三だったけど……」

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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時

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