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青空と赤い風船 ページ26

「幼なじみで……」




そう、私たちは幼なじみだった。




「……小学校か、中学か、もういつから好きなのか覚えてないけど、でもいつの間にか好きになってた。優しくてかっこよくて、いつだって私を守ってくれるヒーローだった」

江「ヒーロー、か。まああの人、漫画やアニメの主人公みたいな人だったもんな」

「………それで、良平先輩やその彼女に手伝ってもらって、女の子らしくなるために努力した。ファッションやメイク、言葉遣いや好きだって言ってくれたピアノも頑張って頑張って頑張って……裕貴くんに好きになってもらうために………」

江「うん」

「……わ、たしは、裕貴くんの高校合格発表の日、告白…したんだ、……『好きだよ』って。声も震えて、手汗とかやばくて、それでも私なりに伝えたはずなんだ。
…………でも届かなかった。裕貴くんの中で、私はいつまでも妹のまんまでさ」

江「そっか」

「もう忘れたと思ってた。すぐに忘れられると思ってた…。……なのに!……話しただけであんなに苦しくなるなら、好きになるんじゃなかった……恋なんて、するんじゃなかった……っ…」




こんなの困るに決まってる。早く誤魔化さなきゃ。




「ごめん、キャラじゃないよね。……忘れて」

江「………話してくれて、ありがとう」

「え…?」

江「聞かせてくれてありがとう。お前は、頑張ったんだね。すごいな……」




ポンポンと頭を撫でる拓也の手は大きくて、優しい声が染み込んでくるみたいに、心をじんわりと温めていく。

「ハンカチなんて持ってないから、これで勘弁な?」と、頬の涙を親指で拭われる。




「なんで、なんでそんなに優しいんだよ、ばかぁ……」

江「よしよーし、たぁーんとお泣きー」

「……うっ、うぅ……うわぁあぁぁ……ぁぁうぅ……」




涙でにじんだ視界には、眩しい青空と、どこからか飛んできた赤い風船が写った。あの風船のように、この感情もどこかに飛んでってしまえばいいのに…。


観覧車が下に降りるまで、私が泣き止むまで、あとどれくらい時間がかかるかな…。

ここまでくると→←観覧車



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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時

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