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観覧車 ページ25

「……なんで、そんなに怖い顔すんだよ。……何にそんなに怒ってんの」

江「そんなの…………理由は特に思いつかなかったけど」

「なに、それ……意味わかんない」

江「でもとにかく嫌なんだよ。そんな辛い顔で笑うところなんて見たくない。さっさとやめろばか」

「ば、ばかって………」

江「やなの。今すぐやめてほしいの。だから泣け、さっさと泣いてしまえ」

「意味、わかんない」

江「意味も理由もわかんなくていいから、ほら、早く」




何故か焦らされてる私。ムスッとした拓也。中の状況なんてお構い無しにのんびり上がっていく観覧車。




「ねぇ……」




震える声。小さく息を吸って、整える。




「………私、さっき上手く笑えてたよね?上手く女の子してたよね?」

江「……今までに見た事もないかわいい笑顔だったよ」

「なにも変な事言ってないよね?幼なじみ、ちゃんと出来てたよね…?」

江「……できてたよ。今までにないくらい完璧な仮面つけてた」

「………わ、たしは……、私は………」




どうしても息が詰まる。涙がポロポロ後から後から勝手に出てくる。堪えようとすればするほど苦しくなって、止まらない。

拓也は隣に座り、背中をゆっくりとさすってくれた。




江「落ち着いた?」

「……うん、ごめ…っ……ごめん……」

江「いいよ別に。そういう時も…あるよな……」




独り言のようにつぶやくと、私の方に向き直した。




江「おれの話聞いてくれたんだから、おれもお前の話聞くよ。……聞かせて?」

「で、でも……」

江「友達の、友達の役に立てないのはきついんだよ」




優しい声でそう言う拓也を見て、思わず言葉が漏れる。




「……………好きな人、だったんだ」




拓也は小さく頷いた。

青空と赤い風船→←ひどいこと言うね



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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時

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