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枯れた桜の木の下で ページ11

メガネの奥に潜む目に私が写っている。情けない顔、戸惑った顔、なんてあほらしい顔をしてるんだ。




「はっw」

江「おれ、今おかしなこと言ったか…?」

「いいや、なんでもないよ。……うん、なんでもない」




今の私には、江口拓也のことが分からない。

せいぜい、バスケが得意で、勉強が苦手で、バイトをめちゃくちゃやってて、授業中よく寝てて、意外と可愛いところもあることくらいしか、知らない。

きっと江口拓也が私について分かることも、そんなにはないだろう。お互いのことを、あまり話してこなかったから。



あんな契約を交わしてるくせに。




「なぁ、あの契約、覚えてる?」

江「………あぁ、まあ、覚えてるよ」

「『お互いが必要な時に相手を使う』」

江「……体育とか、英語のペアとか、荷物持ちとか、告白を断る理由とか」

「あの頃、私達はひとりでいるために一緒にいることにした。面倒な詮索とか、遠回しな牽制とか、我ながら都合のいい関係だったよね」

江「……そうだな。言い訳のために作られた仲だった」





▪□▪□▪□▪





女子生徒「ずっと前から好きでした!付き合ってもらえませんか…!」

江「…ありがとう。…ごめんね」

女子高生「……付き合ってる人とか、いるんですか…?」

江「……いや、そんなんじゃないけど」

女子高生「だったら…!お試しでも、2番目でもいいですから……」

江「……ごめん」

女子高生「……っ…」

江「もっと自分を大切にして。おれなんかよりもっといい人と幸せになって。ごめんね、君を幸せにしてあげられるのがおれじゃなくて」

女子生徒「……っ………いえ、聞いてもらえただけ、う、嬉しかったですから……し、失礼します…!」




「ひゅ〜、きざだなぁ」

江「………盗み聞きとは、頂けないな」

「いや、盗み聞くつもりは…先に寝てたの私の方だし」

江「お前たしか同じクラスの、えっと……つき、つき……」

「かげつね。花月 A。君は江口拓也だよね」

江「あぁ、話したことあったっけ?」

「いいや、でもさすがにあれだけ騒がれてたら覚えるよ。『草食系の省エネイケメンくん』」

江「……そういうお前は、『高嶺の花月さん』……だっけ?」

生きやすくなる→←たかが50センチの距離



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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時

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