作り笑いが７ ページ9
志緒side
本日からお世話になる本丸。そして審神者様。
そこはとても綺麗なところであった。本丸の中に入っただけで心地よい気持ちであった。
審神者様もとても良い方で部屋までご丁寧に案内してくださった。
初めてこの目で見たこんのすけも可愛らしく、とても審神者様を慕っていた。私も彼女のように刀剣男士を導いていきたいと思える。
政府の方も言っていた。
彼女こそ審神者の見本だ、と。
志緒｢A様はとても良い方ですね！｣
こんのすけ｢えぇ、ですが中々素を見せて下さりませんが｣
しゅん、と残念そうにそう言った。
辛さや悲しさを見せない方はその分他の方には敏感にそういった感情を感じ取ると聞いたことがあった。A様はそう言ったタイプなのだろう。
志緒｢とてもお優しい方だからでしょうね｣
こんのすけ｢そうだと思いたいのですが、それに今回のことも｣
志緒｢今回のこと？｣
こんのすけはすぐになんでもありません、と答えた。でもそれは私には関係ない事だと思うし突っかかることでもないだろう。私はそのことについて追求はしなかった。
志緒｢ではそろそろA様の所に行きましょう！｣
簡単であるが荷物の整理は終わった。明日でも大丈夫なようにした。
こんのすけ｢では行きましょう｣
志緒｢はい！｣
そして私とこんのすけは審神者様の部屋に行った。広々とした本丸はとても綺麗であり、毎日いき通った掃除をしているのだろう。響き渡る賑やかな声もとても良いと思える。
志緒｢本当に素晴らしい本丸ですね｣
何度も思ってしまう。魅力的なこの本丸をまとめあげる審神者様は本当にすごいと感じる。
階段を上がってそこに一つだけお部屋が見えた。
こんのすけ｢審神者様、見習い様をお連れ致しました｣
少しだけ声が聞こえた。刀剣男士だろうか。
｢お入りください｣
こんのすけ｢失礼致します｣
志緒｢失礼致します！｣
急な緊張に審神者様はにこやかに笑った。近くには刀剣男士の堀川国広様がいらした。
｢どうぞお座りください｣
志緒｢はい！失礼します！｣
正座して審神者様は口を開いた。
｢ご紹介致します、こちらは本日見習い様の案内役を務める堀川国広様です｣
志緒｢よろしくお願い致します！｣
堀川｢よろしくお願いしますね！見習いさん！｣
｢では、見習い様には明日から頑張っていただくとして、本日は楽しんでんくださいね｣
そう笑う審神者様が美しくて私は大きく返事をした。
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作者名：一ノ瀬ミルク | 作成日時：2022年9月18日 0時
