作り笑いが6 ページ8
Aside
疲れた表情筋を休ませたいがそうはいかない。次に刀剣男士に会いに行かねばならないのだ。
理由は見習いの本丸の案内だ。私がやっても良かったが、仕事が忙しくてそれどころではない。
審神者の仕事で1番の難関は事務作業。学生の頃に審神者になってしまったのが不運だった。また、1番しなければならなくて1番量が多い。バイトも接客業しかして来なかった私にとっては事務作業が1番涙を流した気がする。
そんなこともあってか事務作業が嫌いなり、やりたくないが勝ってしまうが私しかできない事だし泣く泣くやっている。
そんなことよりも今は案内役を誰にやってもらうかだ。もうそこは昨日のうちにできている。
しっかりしていてまた温厚な方と思っていた。
たしかここの部屋だった気がする。
うろ覚えの部屋位置で失礼致します、と声をかけた。
堀川「はーい?あ!主さん!」
案内役に向いているのはこの堀川国広だ。
顕現した時からお世話になっている刀であり、よく私の部屋に訪れて手伝いと言っては色々としてもらっていた。
今はほとんどそんなことはなくなってしまったが、今でも頼りになる方だと思っている。
「突然すみません、堀川国広様にお願いがあってきたのです」
堀川「お願いですか?お手伝いですか!!」
どうやら兄弟である山伏国広、山姥切国広はいらっしゃらない。
ありがたい、運がいい。
「はい、本日からいらした見習い様の本丸案内をして頂きたくて、こんなこと堀川国広様にしか頼めないと思い、」
堀川「もちろんです!お任せ下さい!!」
「助かります、では後ほど私の部屋までお越しください」
堀川国広は分かりました、と言って、私は頭を下げて自室に戻った。
すぐに窓を開けて外の空気を入れ替える。これが日課となっている。
「はぁ、辛い」
でもあと少しの辛抱だ。この2ヶ月を乗り切れば私は自由の身となるのだ。そう思えば心は少し気楽であった。
表情筋を少し休ませて私は大嫌いな事務作業を行った。
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作者名:一ノ瀬ミルク | 作成日時:2022年9月18日 0時