作り笑いが18 ページ20
Aside
次の日が来た。
今日は仕事が終わらなくて寝ていない。見習いのためにレジメとかも作っていたからいつの間にか朝である。
こういう日は誰にも会わずに部屋に籠っていたい。
でもそんなことは出来ない。きっとボロが出るんだと思うと怖いあの記憶が頭に過ぎる。
「っ…苦しい…」
そう呟いて窓の開いた空を眺めた。太陽が出ていてキラキラと輝いている。眩しい光だ。
外の空気を吸って気持ちを落ち着かせる。それなのにいつものように落ち着かないのは寝不足のせいだ。
時間は朝の6時。バタバタとうるさかった。
獅子王「主!入るぜ!!」
獅子王の声がする。そういえば長時間遠征の部隊長は獅子王だったのを思い出して今帰ってきたのだと思った。
笑顔を作って彼を迎えた。
遠征での報告を聞き、獅子王のじっちゃん自慢も聞いていた。
「長時間の遠征ご苦労様でした、今日明日はお休みですのでゆっくりしていてくださいね」
獅子王「おう!主も休んでくれよ!」
そう言って獅子王は出ていった。いや、行こうとしたのだろう。
ポタポタと垂れる感覚があって、それは鼻血だった。
獅子王「主!?今薬研を呼んでくる!!」
「大丈夫ですよ、ただの鼻血ですから」
ティッシュで鼻血を拭いて鼻に軽く塞ぐ。
最悪だ、ただでさえつらい時に鼻血なんて。めんどくさいことが起こる、それだけは嫌だ。
獅子王「けど、主、もし倒れでもしたら」
「大丈夫です、平気ですよ」
そう言っても心配だの、呼んでくるだの、と獅子王の口からはそれしか出てこない。かまわずどこかに行って欲しいだけなのに。
「獅子王、お疲れでしょう、お休み下さい、すぐに止まりますから」
なんとか説得して獅子王は部屋を出て行った。鼻血も数分もすれば止まった。だが作っていた報告書は血で汚れた。巫女服も汚れてしまって着替える羽目になった。
巫女服は支給品だからそんなにないのにな。
3着を着回しているから汚れてしまったらまた支給してもらわないと行けない。自腹で巫女服を買ってバリエーションの巫女服を持っている人もいるらしいが、そんな金もない。それに支給でやりくりできるものはそうしたい。
担当の宮本さんにメールして巫女服を早めに送って貰えるように書いて送信する。
志緒「A様!おはようございます!」
そんなこんなしていると1番めんどくさいのが来てしまった。
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作者名:一ノ瀬ミルク | 作成日時:2022年9月18日 0時