作り笑いが13 ページ15
志緒side
A様の座学はとてもわかりやすく、質問にも的確に答えてくださった。
美しいだけでなく、こんなにも頭も良いなんて!!
ここの皆さんがA様の事が好きであるのが良く分かる。昨日の宴でも酔った方々がA様の事を自分の事のように自慢していた。
主は戦略が的確である。
主は一人が軽傷でも戦略的撤退を言ってくださる。我々のことを一番に考えてくださる。とても優しい方だ。
主は俺のことよくかわいいって言ってくれるんだ。ただかわいいじゃなくてどこかを言ってくれて、些細なとこまで見てくれる。
あの人はこんな俺でも認めてくれた。写しである俺でもあの人は暖かさをくれた。
俺の古刀であるが故、その傲慢さを一番に気付いてくれた。今こうやって皆と笑って食事できるのも主のお怪我だ。
そんな風に皆さんは幸せそうに言っていた。だから皆さんはとてもA様のことを大事に思い、大好きなのだ。
「見習い様、本日はここまでにいたしましょう、そろそろ昼食ですし」
そう言ってA様の座学は終わってしまった。とても残念であるが、もう昼食の時間だ。それに気づくと腹の虫が鳴いた。
恥ずかしくて顔を赤くする。
「では大広間に言ってください、いつもはそこでお食事なさるそうですよ」
その言葉にとても不自然に感じた。まるで他人事のようだ。
志緒「A様はお食べにならないのですか?」
とても失礼なことを言ってしまった。それに気づいた時には遅く、口を自分の手でふさいだ。
「……私はいつも昼食は食べないんです、食が細く仕事もありますし」
志緒「で、でも倒れてしますよ!!私と一緒に食べに行きませんか!!歌仙さんと燭台切さんがとてもおいしい食事をご用意しておりますわ!!」
「……ごめんなさい、私はいつもいらないと言っているの、だから私の用意はしていません、大丈夫です、勝手に食事はとっていますので」
私はそれ以降何も言い返せない。きっと何を言っても意見は変わらないみたいだし、なによりA様は皆さんを避けているようにも思えた。
こういうことは他人の私が首を突っ込むことではないだろう。所詮は見習いだから。
志緒「ごめんなさい、A様、強引に、、」
「気になさらないでください、さぁ、皆様がお待ちですよ」
志緒「はい……」
私はA様の部屋を出た。私は何も言えなかったことは悔しいし、どうして皆さんを避けるのか分からない疑問が残った。
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作者名:一ノ瀬ミルク | 作成日時:2022年9月18日 0時