黒服の秘密のお仕事

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「これ、食べたら
部屋に戻って寝ましょう。
もぅ紫耀くんに戻ってるんで部屋に帰れると思います」


「帰っても…寝られへんし」

まぁ…
安眠は出来ないかもしれないけど
それでも、

「徹夜はダメですよ？どうせ記者に囲まれるなら、キレイな写真撮ってもらわないと」

紫耀くんは眉間に皺寄せたまま
お茶のペットボトルを眺めていた


「何にも喋ったらあかんねんもん…事実なんて誰も報道する気ないし。俺の知らんところでもぅ明日の報道が出来上がってた」


沈黙しろって言われたんだ

「誰も俺の気持ちなんか…考えてない。それで視聴率が良くなるなら、やるべき手段やから」


「視聴率の為なら、記者が沢山居るところだし、番組見てください〜って言えたらスッキリするんですけどね」




「え？」


「いや、ほら番宣って紫耀くん達が番組を回るけど、明日は色んな会社が撮りに来るでしょう？一斉にばら撒いてくれるからありがたいですね」


まぁでも沈黙しろって言われてたら無理だな
きっと色んな条件をみて
最善策と判断したから
事務所からそう指示が出てるんだろう



それでも疲れた顔で良い訳がないと
どうやって説得しよう


「それ…やろっかな…」
「え？ダメだよ沈黙しろって言われたんでしょう？」


「いや違う、お伝え出来ることはありません、って言えって」
「え？一緒じゃない？」

「お伝え出来ることはありませんって言って、番組見てくださいって言う…」


ぇえ〜？

「ダメなんじゃないですか？」
「わかんない…聞いてみよっかな」

「ぇえ〜？じゃぁ、ちょっと聞いてみようよ。ダメって言われたら、寝るって約束して下さいよ？」



「わかった」

いやそれ嘘でしょ
寝る気ないでしょ


部屋を出ながら
やる気のない返事に念を押していく

「絶対ですよ？朝に、寝られへんかったわ、とかダメですからね？」

「いや、わかってるって。寝るよ寝たら良いんやろ？」

「返事が適当過ぎるんですよ、もっと真剣に睡眠を考えて下さいよ…ってあれ？浜田…変な顔」

カウンターから私たちを見て
浜田は目が取れそうな変な顔していた




「…戻れたのか…」
「え？」

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