それは甘いお菓子のような 01(弟) ページ41
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｢弟者くん！｣
Aが嬉しそうに駆け寄ってくる。
｢お待たせ！ごめんね、遅くなっちゃって｣
｢全然。そんなに待ってないし、
俺も今来たとこだから｣
そう言うとAは嬉しそうに笑う。
｢お菓子作ってきたんだ、今日はねマドレーヌだよ｣
｢マドレーヌ！すごいな、
お店で売ってるのしか知らない｣
｢そんなに難しくないんだよ。
オレンジピール入れてみたんだけどどうかな｣
袋から取り出されたマドレーヌは
可愛くラッピングされている。
俺の彼女、Aはお菓子を作るのが好きらしい。
今までも色んなお菓子を作ってくれたけど
どれもすごく美味しい。
｢いただきます｣
マドレーヌを一口。
Aはいつも自分が作ったお菓子を食べる俺を
じっと見つめてくる。
｢ど、どうかな･･･｣
そしてこうやって少し不安そうに
聞いてくる。
そんなの美味しいに決まってる。
お世辞抜きに。
｢美味しい！｣
｢！･･･よかったぁ〜｣
ホッとした表情で嬉しそうに笑うA。
この顔が好き。
｢あ、あのね･･･｣
膝の上で両手をモジモジさせながら
Aが口を開いた。
｢弟者くんの好きなお菓子って何？｣
｢好きなお菓子？なんでも好きだよ？｣
｢そうじゃなくて･･･その･･･｣
Aの顔がどんどん赤くなっていく。
何が言いたいのかなんとなく想像がつく。
でも恥ずかしそうにする様子が可愛くて
ついついいつもこうやって
わからないフリしちゃうんだよな。
｢弟者くんが好きなお菓子、
作ってあげたいなって･･･だめかな｣
そう言って顔を上げるA。
首を傾げる姿が小動物みたいで可愛くて仕方ない。
｢まじで！嬉しい。
でも俺Aが作ってくれるお菓子
全部好きだよ｣
｢そんなほめないで！恥ずかしくなるから･･･っ｣
そう言いながら両手で顔を隠してしまった。
(あーぁ･･･その顔が見たいのに)
｢じゃあAが1番得意なお菓子が食べたい｣
｢！･･･じゃあ、今度。今度作ってくるから
食べてくれる･･･？｣
｢もちろん！｣
あ、すっごい嬉しそう。
なんにも言わないけど口元ちょっとニヤけてるし。
可愛いなぁ、俺の彼女。
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年3月12日 0時
