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聞こえた声は低くて優しくて･･･。
暴れて振り回していた腕が止まる。
｢はぁ･･･よかった｣
その腕を掴んで膝の上に置かれた。
｢２階から飛び降りようとするから
ビックリしたんだからな。間に合ってよかった｣
(あれ？私、どうしてこの人に心配されてるの･･･)
｢あの･･･どうして･･･｣
｢もうすぐ警察が来る。南か北の端に来るから
サイレンの音が聞こえる方に走るんだ。｣
私の質問には答えてくれないのか
男の人はすぐに立ち上がって私を立たせてくれた。
だけどあまりにも怖い思いをしたせいなのか
足に力が入らずにまた座り込んでしまった。
｢す、すみません。力が抜けちゃって･･･｣
｢怖かったよな、ごめんね。｣
｢？！｣
ふわりと体が浮いたかと思えば私の体は
男の人に抱き上げられていた。
そのまま階段を降りて家を出たところで
サイレンの音が響く。
｢警察が来たみたいだな。｣
そう言って男の人は私を抱えたまま
サイレンの鳴る方へ。
｢あの･･･どうして助けてくれたんですか｣
｢うーん、そうだな･･･秘密かな｣
これ以上は答えてくれなさそうだ。
サイレンの音が近くなってきた頃、
不意に体を下ろされた。
｢俺はこれ以上行けないから、ここまでだ｣
まっすぐ進んだら警察がいるとおりに出られる、と男の人が教えてくれたけど･･･
｢あなたは･･･どうするんですか･･･｣
私の言葉に男の人が少し悲しそうに
笑った気がした。
｢行って。ここにいちゃダメだ、さぁ。｣
背中を押されて、少し躊躇いながらも
サイレンが聞こえる方に走る。
警察の人に保護されてパトカーに乗り込む瞬間
銃声が聞こえたような気がした。
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年3月12日 0時
