【無題】06 (ページ39)

今日:38 hit、昨日:13 hit、合計:103,898 hit

02 ページ39

ｰｰｰｰ

階段を上がってくる音が聞こえる。

別の部屋のドアが開けられる。
明らかにホッケーマスクの男は私を探している。

ついに私が隠れている部屋のドアが
壊され始めた。

もう逃げ場がない･･･ここにいちゃダメだ。

私がクローゼットから飛び出したと同時に
ドアが破壊されてホッケーマスクの男と目が合った。

｢･････っ｣

ピクリとも動かないホッケーマスクの男。
その手には斧。

視界の端に窓が見える。

ここは2階･･･怪我でもしたら･･･

でもここにいたらこの斧で･･･。

そう思ったらもう選択肢はひとつしかない。

意を決して私は窓へと駆け出した。

それと同時にホッケーマスクの男も
こちらへ走ってくる。

急いで窓ガラスを開けて窓枠に足をかけた瞬間
腕を掴まれて部屋に引き戻された。

｢やっ、やだ！助けて･･･！誰かっ、助けて！！｣

無我夢中で暴れる私の手が男の顔に当たって
マスクが床に落ちた。

｢･･････｣

マスクの下の顔は私の想像とは
かけ離れたものだった。

がっしりとした輪郭、優しそうな目元
赤い髪に赤い髭。

思わずマジマジと見るけど、すぐに我に返る。

｢離してっ･･･！誰か！｣

｢何もしないから暴れないでっ！｣

(え･･･)