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【雨】ヒラリ スカートと雨のメモリー 01(弟) ページ30

シリーズ→【無題】
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「わぁ、弟者くん雨降ってる」

「えっ?あ、ほんとだ・・・
やばい、俺傘持ってきてない・・・」

「私も・・・」

約束していた週末デート。
最近できた猫カフェに行ってかわいい猫さんを
大満喫した俺たち。

カフェを出て雨が降っていることに気がついた。


「あんなに晴れてたのにな」

「雨降るなんて聞いてないよー」

店先で足止めされてしまった。


「そう言えば、Aと初めてあったのも
雨だったな」

「そうそう、雨やどりしてた弟者くんに
私がハンカチ貸したんだよね」

そんな懐かしい話をしていれば
雨が少し弱くなってきた。


「これなら屋根のあるところまで行けそうだね」

「A、それ持つよ」

手を差し出してAが持ってた
ショップバッグを取る。


「ありがとう。じゃあ行こう!」

「うん!」



前を走るA。

走る度にふわふわ揺れる髪が可愛い。
それに合わせてスカートがヒラヒラと揺れる。


「・・・・・・」

短めのスカートがヒラリと揺れる度に
太ももがチラッと見える。

・・・見てません、見てませんよ?!

(俺が後ろでよかった)


そういえばA、
よくこのくらいの長さのスカート履いてるよな。

そんなことを考えながら走っていれば、
屋根のあるところまで来れた。


「ちょっと濡れちゃったね。はい、どうぞ」

そう言ってAはカバンから取り出した
ハンカチを差し出してくれた。

あの日と同じように。


「ありがとう。
このハンカチを俺が返しそびれたらいいんだよね」

「ふふ、そうだったね。でもびっくりだよね、
会えるわけないって思ってたのに
まさかまた雨の日に会えるなんて」

そう。
名前も知らない、
その日ハンカチを貸してくれただけのAと
カフェでばったり会った。

それも雨のおかげだったのかも。


「弟者くん、晴れてきたよ」

「ほんとだ」

雲の隙間から見える青空。


あの日の遣らずの雨はもうあがってる。





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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時

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