【無題】06 (ページ29)

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Baci di dama 01(乙) ページ29

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｢Aごめんね、怒らないで？｣

｢知らないです｣

目の前でムスッと可愛い顔をしているAに
手をあわせる俺。

｢･･････どうして｣

｢まさかこんな事になるなんて思ってなくて･･･｣

｢ひどい･･･｣

テーブルに視線を落とすAが
ふいに顔を上げてキッと睨んでくる。

｢どうしておついちさんが作ったケーキの方が
クオリティ高いんですか！
信じられない･･･
なんなんですか、おついちさんの女子力っ｣

Aが友達の家に行ってる間、
久しぶりに作ったケーキ。
Aが帰ってきたら一緒にお茶しよう、なんて
上機嫌に茶葉を選んでた俺。

そこに帰ってきたAの手には
友達と一緒に作ったケーキ。

すべてはここから始まった。

｢これじゃ･･･、これじゃあどっちが
彼女かわからないじゃないですか･･･
もう私、彼女の自信なくなってきちゃった｣

別にAが自信なくすことはないと思うけど･･･

｢え～、俺はAの彼氏だって自信満々だけど？｣

(あ、睨まれた)

｢こんなに女子力の高い彼氏じゃ歯が立たないし
頑張って女子力見せたところでじゃないですか･･･
ほら！今だってそうやって紅茶入れて！｣

お気に入りの茶葉で紅茶を入れてたら
さらに食いつかれちゃった。

(もう、しょうがないなぁ)

｢ほら、Aおいで｣

(拗ねてるAも可愛いけど、
やっぱり楽しくお茶したいしね。)

ソファに座って膝を叩けば
拗ねたままのAが遠慮がちに
膝の上に座ってきた。

そのまま柔らかい体を抱きしめる。

｢いくら女子力高くても
Aみたいに柔らかくないし、
いい匂いしないし、ね？
肌もすべすべだし、唇だって柔らかいし｣

そう言いながら唇を何度も重ねる。

｢ね？これは女の子じゃないと出せない女子力だよ｣

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