【お花見】東風にのせて桜は花笑む 01(弟) ページ25
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ポカポカ暖かい午後。
今日はお弁当を持って弟者くんとお花見。
川沿いの並木道は桜が満開になっていた。
｢おぉ！すごいな、A！｣
｢満開だね〜あ、弟者くん、あそこはどうかな？｣
桜の木の下にレジャーシートを敷く。
二人で並んで座って上を見上げる。
八重桜の花びらの隙間から春の柔らかい光が
こぼれてくる。
｢綺麗だな｣
｢うん、すっごく綺麗･･･｣
しばらく桜を眺めてから
持ってきたお弁当を広げる。
｢美味しそうだな、
俺Aの玉子焼き好きなんだよね｣
｢ふふ、それいつも言ってる。
今日は玉子焼き多めにしておいたよ｣
｢ナイスA！まじで嬉しい、いただきます！｣
嬉しそうにおにぎりを片手に
卵焼きを頬張る弟者くん。
子供みたいでなんだか可愛いな。
お弁当も食べ終わってまったりムード。
そよそよ吹く風も心地いい。
とそこに少し強い風が一瞬通り抜けた。
｢わっ｣
乱れた髪を押さえて手ぐしで直していれば
弟者くんがこっちを見ていることに気づいた。
｢弟者くん･･･？｣
不思議に首を傾げる私に弟者くんの顔が近付いて
一瞬唇が触れる。
すぐに唇を離した弟者くんの指が私の唇を撫でた。
｢これ、｣
｢ん？｣
その指には桜の花びらが。
｢口についてたよ｣
｢そ、そうなんだ･･･ありがとう｣
(なんだかちょっと恥ずかしいな･･･。
ドキドキしてきちゃった。)
そんな私の気持ちを知ってか知らずか
弟者くんが頬を撫でる。
｢花びらついてて可愛くてつい｣
はにかんだような笑みを浮かべる弟者くんは
かっこよくて、ちょっと可愛くて。
｢別にいいけど･･･
外であんまりしちゃダメだからね｣
｢うん！｣
日も傾いて来て、レジャーシートを畳んで
家までの道を二人で歩く。
｢A、また来年もお花見来よう｣
｢うん、もちろん。｣
｢その時も玉子焼き多めでよろしくな！｣
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年3月12日 0時
