▼ラブ・パニック ページ16
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「勝ったーっ!!」
「なんでだね!?おかしいね!」
21勝0敗。あのあとババ抜きとか他のゲームもしたけど、全て私が勝った。
巴先輩、わかりやすいんだもん。
「だって先輩、神経衰弱のときとか私の一枚目が2だったら2のカードをあからさまに隠すじゃないですか。バレバレですよ!」
「う〜っ、うるさいね!僕は年上だからね!わざとそうしたね!」
「2歳しか違いませんけど」
「ほんとああ言えばこう言うね!」
ふん、と拗ねたのか部屋の隅っこで体育座りをする巴先輩。子供か。
いいもんね…とうじうじする先輩は大変めんどくさい。しょうがないなあ、と私は仕方なく先輩に近寄る。
「せーんぱい」
「……」
「せんぱーい」
「……」
「ともえせんぱーい」
「……」
「…日和せんぱーい」
「……」
いや返事しろよ!!
心の中でそう叫ぶ。言ったらもっと拗ねそうだし。
頑なだなあ、と思いながら私もしゃがみこんで先輩の顔を覗き込む。
「もー拗ねないでくださいよ」
「…拗ねてなんてないね」
ぷくー、と頰を不機嫌に膨らませてそっぽを向く巴先輩は明らかに拗ねている。かわいいけどさ!!
「どうしたら許してくれます?」
なんで私が悪いみたいになってんだ…と思いながらも聞くと、渋々答えてくれた。
「名前で呼んでくれたら…許してやってもいいね」
「なんだ、それぐらいならいいですよ。
日和先輩」
かわいいお願いだなあ、なんて思って思わず笑みがこぼれる。
でも日和先輩はそれが気に食わなかったらしく、むすっとした。
「なんで笑ってるね?」
「すみませんって。かわいいなあって思って」
男の先輩が可愛いとかおかしいと思うだろうけど、ほんとに可愛いのだ。顔が良いからか。
「僕はかわいくないね!」
「はいはい」
ちっちゃい子みたいにムキになるのも可愛いなぁ、と思って軽く受け流して立ち上がる。
正しくは、立ち上がろうとした。
いきなり右腕を引っ張られたと思いきや、ばたーん、と豪快な音を立てて倒れたのがわかる。
ちょ、いきなりなに…!?
「っつ…ちょっと、何するんですか!」
危ないです、と言おうとして、私は固まった。
私の上に跨った日和先輩が近くで私を見つめていたから。え、どゆこと…!?
いつぞやの私の血を飲んだ凛月先輩を思い出すが、日和先輩は血を飲んでいない。
じゃ、なんで…!?
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コフウ - はじめまして!とても面白いです!そして、この作品はこれにて完結でしょうか…? (2020年5月20日 14時) (レス) id: 16a5bce890 (このIDを非表示/違反報告)
夕月 刹那(プロフ) - あるみかんさん» 受験なら仕方ないですね、、、合格目指して頑張ってください! (2018年9月11日 21時) (レス) id: 44778e7901 (このIDを非表示/違反報告)
名無しちゃんくんさん - 初めまして!コメ欄に初投稿させていただきます!とても面白くいつも楽しみにしています!受験生なんですね!!頑張ってください!!目指せ合格!!! (2018年9月3日 20時) (レス) id: c58b850b31 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - ♪咲那♪さん» ありがとうございます!更新ができない分、頑張ります。 (2018年8月26日 17時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - 受験勉強頑張ってくださいね!いつまででも待ってますw←まあ、無理はしないでくださいね!といっても私も来年受験生ですけどw (2018年8月26日 17時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるみかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=48be83eaada675e79ed496ea5cdf8f4f...
作成日時:2017年12月21日 21時