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その後もトスをあげてもらってスパイクを打ち続けた。やはりクロスのキレが悪い。思ったより長めに打ってしまってる。
「んー」
フォームを確認していると、誰かが私の肘を掴んだ。
柳「だんだん肘下がってる。それにクロスに切ろうと意識し過ぎて脇開き気味。空中でのバランス崩れてきてる」
「あ、ありがとうございます」
そうだ、この際聞いちゃえ。
「柳田先輩!あの、飛んだ後にバランス悪いというからテンポが合わない時があるように感じるんですけど、どうしたらいいとかありますか?」
感覚なので、質問自体が曖昧になってしまった。
しかしこれも理解してもらえたようで。
柳「体、だいぶ柔らかいよね」
「え、あ、はい!」
柳「せっかく体柔らかいんだから体全体で捻ろうとするより、肩だけで引いた方が早くフォーム整うから」
「なるほど」
柳「これは祐希の方ができてるからまた分かんなかったら聞くといいよ」
「分かりました。ありがとうございます」
的確かつシンプルなアドバイスにかなりスッキリした。この後のスパイクは、それまでの引っかかるような感覚が消え去った。決めたいとこにスパッと決まる。
さすが東洋高の柳田将洋、めちゃくちゃ痺れる。
清「なぁ、花井さん」
「はい!」
清「時間大丈夫?俺らもシャワー浴びたりするけど、女子の方が色々時間かかると思うねんけど」
「はっ!片付けます!」
深「ここは男どもに任せていいから先に行きな」
「も、申し訳ない...お邪魔させてもらってありがとうございました!柳田先輩アドバイスありがとうございました!」
柳「おう」
慌ててロッカールームに向かい、シャワー室に飛び込んだ。
古「Aさん!早く!」
「行きますもう行きます!」
紗理那に急かされながら帰り支度をする。
髪もまともに乾かさずに外に出ると、移動用の大型バスが止まっていた。荷物を積んで乗り込み、空いてる二人がけの席に座った。
紗理那はまだ後ろか。
窓から外を見ると、トレセンが正面に立っていた。
ここにあらゆるアスリート、日本中の代表選手が集まる。
今日から数日ここで合宿し、選抜メンバーはすぐにスイスに飛んでモントルーバレーマスターズだ。
冬の留学からまたこんだけ休んで、単位大丈夫かしら...
「俺ここー」
「さり......え!?」
当たり前のように紗理那だと思っていた私は、隣に座った人物に驚愕した。
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夏実(プロフ) - 実在する人物を題材としているのでオリジナルフラグを外しましょう (2019年11月10日 4時) (レス) id: caffb068cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松野 | 作成日時:2019年11月10日 2時