Flowerwall (ページ47)

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「不満か？」

花「...そういう言い方は好きじゃありません。ただ、知っておくべきだと思います。自分だって納得できたら考えて次の行動ができます」

そう言うと、監督は笑った。

「本当に素直だよな」

花「生意気に思われたらすみません」

いいよ、と監督は言って一つ動画を見せた。
それは初戦のイタリアでの試合。
後衛であっても、ブロックが私を警戒していること。私のサーブカットの本数が徐々に増えていること。
相手からのマークがセットを追うごとに厳しくなっていたことだった。

「ワールドカップに合わせて欲しい」

今じゃない、と監督は言う。

「紗理那や若手選手を出しているのは世界選手との戦いを見せる為。アメリカやオランダでやってきたお前は、別の目線で考えて欲しい」

そして課されたのは、レシーブの強化。
サーブやスパイクが集中する可能性を踏まえ、狙われても攻撃に参加できる体制作り。

日本大会を終えた後、大学へと戻った私はリベロや後衛ポジションでの練習を増やした。

その際、たまたま連絡をとっていたのは、中央大の関田さんだった。

Aスパイクの威力が物足りない感じはありますね

A海外選手の球を受けると考えると

関田誠大うちの練習参加してみる?

そうして無理言って特別に練習に参加させてもらえることに。

これに関しては、祐希から

石川祐希絶対に怪我しないって約束するならいいよ

と謎の許可がおりる。

スパイカーとして活躍しないことに、世間の目は厳しい。祐希と並んで取り上げられたのだから尚更。
それでも気にしてる暇はなかった。

関「たまにはスパイクの練習もやりなよ。上げてやるから」

この日も練習に参加していると、不意に言われた。

関田さんのトスは初めて上げてくれたとは思えない程打ちやすく、少しだけのつもりががっつり満足するまで打たせてもらった。

花「鈍ってたら笑えなかった」

関「想像以上にキレキレ」

とめちゃくちゃ笑われた。
関田さんのトスも恐ろしいぐらいキレキレだから。

花「関田さんって、もっと堅い人だと思ってたんですけど、めっちゃ優しいですよね」

関「まー、頑張れなんて今更だけどさ。花井さんにはしっかり楽しんでもらわないと」

どう？惚れた？とおどける関田さん。

花「旦那にしたいランキングには上位に入りそうですよね」

石「そういうことサラッと言わないでもらえる？」

関「来たなやきもち焼き～」

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