Flowerwall (ページ46)

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▽収録続き

「続いては、現役大学生であるお二人の素顔に迫ったことをお聞きしたいと思います！ずばり！...モテますよね？」

石「いや、そんなことは「めっちゃ人気です」...そんなことないです」

「花井選手も、美人と評判高いですよね」

花「全然「うちの高橋健太郎さんもファンです」...黙ろうか？」

「ははは！それぞれの異性のタイプを聞いてもいいですか？」

花「えー...包容力がある方が、いいですかね」

「年上の男性ということでしょうか？」

花「年齢にこだわりはないです。例えば自分は遠征や大会もあって落ち着かない人間なのでそれでもいいと言ってくれる方であれば...」

「石川選手は、女性のタイプは」

石「自分は...とにかく優しい方、ですかね」

その後もプライベートにまつわる話が続き、次第に私は気疲れしてくる。終盤はなんと答えたか記憶が曖昧だ。

「それでは本日のゲスト、全日本男子バレーボール石川祐希選手、そして女子バレーボールの花井A選手でした！ありがとうございました！」

ようやく終わった。

「花井選手！ワールドグランプリでの活躍楽しみにしてます！」

花「ありがとうございます」

疲れのあまり作り笑いにならないように、声をかけてくださる方に応じながら現場を後にする。

石「疲れてんなー」

花「祐希は元気、だね。若い」

石「一つしか違わないのに」

それぞれ車が用意されていた。
ここからはお互い違う方向へ。

石「じゃあ、フランス行ってきます」

花「怪我にだけは気をつけて」

私が右手を出すと、一瞬キョトンとする。
そしてハイタッチだと理解して笑った。

石「Aさんも」

掌が一瞬合わさる。
カメラのシャッター音が重なり、今の瞬間をカメラさんにばっちり撮られたことに気づく。

ただのハイタッチですよ、と互いに笑うしかなかった。

唯一参戦するワールドグランプリ、日本大会。

初回のイタリア戦では、スタメンで出場させてもらうも、フルセットで敗戦。
立ち上がりが悪く、後半追い上げたがギリギリのところで負けた。

ドミニカ戦はミスの少なさが勝因となった。
ただこの試合は控えに回った。

明日は高さとパワーのある中国戦。
攻守ともにポイントはブロックだ。
スパイクは、いかにブロックに捕まらないか。守備はいかにブロックで相手のパワーを落とせるか。

「以上が、明日のスタメンになる。しっかり休んで明日に備えるように」

ミーティングで発表されたメンバーに、私の名前はなかった。

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