Flowerwall (ページ43)

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「A、前ー！」

春季リーグに向けて練習のボルテージが上がる。

休憩になりタオルで汗を拭くと、志保のカバンの上にバレー雑誌が乗せられているのに気づいた。

"集う新星！全日本バレーボール！"

そこに私も載っているわけだ。

花「買ったの、それ」

「NEXT4特集組まれてるからね。そういえばAも載ってたね」

花「私、二の次なのね...」

「充分過ぎるくらいすごいけど、ここに戻ってきたらうちのエース、それ以外なんでもないよ」

花「...なんか、ありがとう」

取材や合宿で、代表として扱われる環境に慣れていたのか、志保の言葉が新鮮に感じた。
うちのエース、その言葉に胸が熱くなった。

花「私、天狗になってたかも...」

「え？謙虚な方だと思うけど？」

迎えた春季リーグ、結果は三位で終わった。
私はベストスコアラー賞とサーブ賞をいただいた。

帰り際に連絡がくる。
珍しい、関田さんだ。

関田誠大こっちも終わった。優勝した。奴は三冠。

送られた画像は祐希の写真で、彼はベストスコアラー、サーブに加えて会長特別賞を獲得していた。

A優勝おめでとうございます。
こちらは三位でした

A奴にはおめでとうとお伝えください。

そう送り、合わせて先ほど撮ってもらったトロフィーとの写真を載せた。

関田誠大何で真顔の写真。笑

関田誠大あと何で君たちのやり取りに俺が挟まれるの

関田誠大二人でやって

Aいや、大丈夫です。笑

そして始まる代表合宿。なんとブラジル。
日本は、ブラジルのナショナルチームとの親善試合初戦をストレートで勝利した。

早朝、同室の優希さんを起こさないように外に出る。イヤホンをつけ、口ずさみながらストレッチを始めた。

「おーはよっ」

花「わっ...びっくりしたー」

イヤホンを外され振り向くと、ミユさんがいた。
ミユさんもランニングしにきたようで、揃って開始する。

長「この前の試合、Aは出なかったけど外から見ててどう思った？」

花「正直、ブロックの安定の無さが不安要因かと思います。揃えれていないのと、コースの絞りが甘いなと」

長「...Aって言うことがダイレクトだから助かる。それが課題だよって誤魔化さずに言ってくれるから」

花「誤魔化したって、一点にはならないので」

長「そうだね...てか、ペース落とさない？ちょっと速い」

花「え？」

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