Flowerwall (ページ41)

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清「何でパナのユニフォームちゃうん」

試合終了後、パナソニック側の席にいた私はそのまま深津さんに見つかり、そのまま志保と一緒にパナソニック側の関係者通路に案内された。

「いやー、一応今日はマサさんのデビュー戦の応援なので」

深「え、二人付き合ってんの？」

福「聞いてないんだけど！」

「付き合ってないですよ！そんな、全然！」

「深津選手！福澤選手！サインくださーい！」

私と連れられてきた志保はここぞとばかりに選手達に声を掛けていた。まぁ、いいか。

と言っても、私はマサさんの方に行くべきなのでは？でもサントリーがどこにいるのか分かんないし、勝手に動き回るのも...

柳「ちょ、こっちで何してんの」

「マサさん」

柳「探した、てか清水さんからこっちにいるって連絡もらった」

「すみません、あれよあれよと...試合、お疲れ様でした」

柳「...どうせならもっと活躍する試合を見てもらえばよかった」

「サーブミスりましたもんね」

それ言うなよと睨まれる。
するとマサさんは私のユニフォームをまじまじと見て

柳「ちょっと待ってて」

そう言ってどこかへ行き、戻ってくると手にマジックペンを持っていた。

「何する気ですか」

柳「サインする。ほら引っ張って」

裾を引っ張って、ペンが走る感覚を感じながら、ユニフォームの正面には大きな柳田将洋のサインが入った。

「ありがとうございます」

「写真撮りますよ」

柳「お願い」

志保がマサさんとのツーショットを撮ってくれると、俺も俺もと他の選手達が集まり、全日本のメンバーの集合写真撮影に。

最終的には背中に他の選手のサインをいただく。

清「これグループLINEに載せよ。石川とか高橋とか絶対羨ましがるで」

「え」

柳「もう載せた」

仕事が、早い。
おそらくイタリアは昼前で、祐希の反応は早かった。
高橋くんも。

石川祐希正面がマサさんだけってのが悪意を感じる

けんたろー先輩ばかりずるいっすよ!

少し話をして、パナソニックの選手達とは別れる。志保はお茶してるから二人で話しておいで、とどこかに行ってしまった。

柳「来てくれて、ありがとう」

「いえ、久しぶりのVリーグ楽しかったです」

柳「...そう言えば、まだ言ってなかった」

「ん？」

何を、と言う前に頭に掌が乗る感触がした。

柳「おかえり」

優しくて笑うマサさんに少しだけ顔が熱くなるのを感じながら、ただいまと一言発するのが精一杯だった。

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