Flowerwall (ページ23)

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"さあここで選手交代！サーバー、花井です！"

"彼女は男子顔負けのサーブと高い跳躍力が武器のニューフェイスです"

"相手マッチポイントの中、失点すれば敗退という中ーーーー決めたぁぁぁ！とんでもない日本人がやってきたぁぁ！"

「すごいわA！ナイス！」

「さあこれから！サラ！容赦なくトス回して！」

12月、日本は街中がイルミネーションで飾られる時期。

この国も12月に入ればクリスマス一色。
日本よりも本場な、異国のクリスマスにはいつも胸が高鳴って仕方ない。

日本から最短で12時間。
私は世界に通用するプレーヤーになる為、新天地にいた。

先の天皇杯。
一回戦を無事通過し、迎えた二戦目。

第一セットを先取したものの、正セッターが負傷し交代。攻撃が噛み合わないまま相手のペースに持ち越された。
その後、私は徹底的にサーブで狙われ、乱れたカットの上に自分は攻撃に参加できないことも多く、第二セット、第三セットを流れそのままで取られてしまった。

四年生はここで引退、そのままシーズンは幕を下ろした。

試合を終え、傷心に浸る間も無く、すぐに選択を迫られた。
大学の監督を始め、全日本の監督や関係者と話を進め、前々からアメリカ留学時のチームメイトから提示されていた話を受けることにした。

プロリーグのないアメリカでは、バレー選手は世界の様々なクラブに所属している。選手としてではなくても、トレーナーといったスタッフとして関わる人もいた。
ネブラスカ大のチームメイト・エマが関わることになったチームに私も参加することが決定した。

直前での決定事項だったので準備にかなりバタバタしたのは言うまでもない。

忙しい準備期間の後、ようやく落ち着いた11月。

午前練を終えると、大学の同期が激励会を開いてくれることになっていた。
向かったのは、偶然にも以前石川くんと行ったイタリアンのお店。

アメリカに留学したり、全日本の合宿に行ったりと、中々落ち着いて所属しない私だったので、一時期は意思疎通が取れない時もあったし、互いに意見がぶつかることもあった。

それでも応援してくれる姿を目前にすると、あの時ここに進むと決めて、心の底から良かったと思えた。

最後に、チームメイトからのメッセージをもらい、一緒に受け取ったのは小さなシルバーのリングピアスだった。

「ありがとう。いつもつける、大事にします！」

楽しい時間はすぐに過ぎて、帰る頃には送別品で荷物がいっぱいになっていた。

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