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#14 ページ15


Side You.

A今日休みだから見に行くね

送ったLINEは未読のままだった。
自主練までしてたし、かなり気合が入ってるんだろうな。LINE見てないみたいだし、驚くだろうな。

午後、初めて中央大に足を踏み入れ、昨日連絡先を交換したばかりの石川くんから聞いていた場所へと向かう。
二階からこそっと見るつもりで階段を探していると、慶應のメンバーに見つかってしまった。そしてそのまま彼が呼ばれてやって来る。

「来てたんだ!」

「今朝LINE送ってたけど...ごめん、迷惑だった?」

「全然!結構調子いいし、頑張るから!」

彼を見送ると、代わってマサさんがやって来た。
全く私に気づいていなかったみたいで、目があった瞬間、なんで!?みたいな顔をしている。

ファイト!とポーズだけで伝えて、そそくさと二階へと移動。
端っこに座ると、午後のアップがスタートする。

スパイク練が始まると、向こう側のコートに立つ石川くんと目があった。
来てますよーという意味も込めて小さく手を振る。

そのままレフトで構えて、トスをあげてもらった彼が打ったボールはワンバウンドすると高く二階席へと飛んできた。

二階席、私しかいない。

石「取ってくださーい!」

「馬っ鹿......!」

飛んできたボールを拾いに行く姿は、よく目立っただろう。ボール拾いの選手がいるにも関わらず、わざわざ石川くんはボールを取りに下にやって来る。

石「下で見てくださいよ。二階だと遠いですよね?」

「いいよ、別に。はよ練習して......いやいいって」

その後、石川くんが監督に許可を取ったのか、中央大の一年生がどうぞと呼びにきてくれた。
既に目立ってしまったが故に、断ることもできずお言葉に甘えて一階で観戦させてもらった。

午後イチの試合はマサさんのサーブから始まった。
殺人級とも言えるサーブは中央大のリベロの腕を軽く飛ばす勢いで、ボールは大きく弾かれた。

「恐ろしかー...」

「俺セッターでよかったっす。サーブレシーブしないから」

中央大三年の関田さんだった。確かマサさんと同じ東洋高だったはず。
この試合は控えで、私のすぐ側でアップしていた。

「私も女子でよかったです」

関「花井さんこそ、女版柳田じゃないですか」

「え、それ喜んでいいんですか?」

関「褒めてるつもりなんだけど」

試合が進むにつれて、私も応援というより参考にしたい欲に駆られ、動画を撮っては分析したり、近くにいる選手と語り合ったりしていた。


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夏実(プロフ) - 実在する人物を題材としているのでオリジナルフラグを外しましょう (2019年11月10日 4時) (レス) id: caffb068cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松野 | 作成日時:2019年11月10日 2時

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