【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い

一ノ怪−厄始−(陸) ページ7

「ねぇイツキ。私、芦屋くんにならあの子達を紹介してもいいかもって思ってるの」




安「！芦屋は妖怪が見える。でも、あいつが他の奴とは違うとは限らない。あいつらを傷つけることになってもいいのか」




「芦屋くんは今までの人たちとは違うよ」




安「何か確信になるものでもあったのか？」




「ううん。なんとなく」




安「勘って･･･！お前、その勘が間違っていたらまたあいつらを！」




貴「大丈夫。だから信じて」




そう、大丈夫




芦屋くんならきっと･･･




そうだよねアオイ(・・・)




−5時間後−




芦「も、もう動けません」




安「それだけ小さくなれば十分だろ。日が暮れる前にそろそろ祓うか」




安「物怪庵 主 安倍晴齋 隠世の扉をお頼み申す」




ﾌﾞﾜｧ




芦「すごい！扉ができた！」




安「ここが隠世への入口だ」




芦「おどろおどろしいカンジですけど入っても大丈夫なんですか？」




「妖怪たちにとったらこっちに方が住みやすいの」




安「仲間もいるしな。わかったらさっさと連れてこい」




芦「お前のこと誤解しててごめん 叩いてごめん」




ｽﾘｽﾘ




ﾌﾘﾌﾘ




芦「行くなモジャモジャー！」




安「何してんだよ、離れろ！」




安「扉閉めるぞ」




芦「じゃあなー！」




［アリガトウ］




芦「！安倍さん今［ありがとう］って言いました？」




安「なんで俺がお前に礼を言うんだよ」




芦「じゃあ神山さんですか？」




「ううん、言ってないよ」




芦屋くんにもあの妖怪の声が聞こえたらしい




やっぱり芦屋くんは違うんだね




ﾋﾟｮﾝｯ




ﾄｯﾄｯﾄ




安「随分と義理堅いやつだな 俺に礼は要らないぞ」




イツキは微笑みながら言う




「私にもいらないよ。私はあなたが幸せならそれでいいの。私たちは当然のことをしただけだよ」




安「隠世に行けば仲間がいるから 安心して行け」




「元気でね」




芦「元気でな」




ﾆｺｯ




ｽｩ




ﾊﾟﾀﾝ

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