【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い

九ノ怪ー実冤ー(弍)/十ノ怪ー威光ー(壱) ページ33

カピバラ「そうか･･･。物怪庵の奉公人(バイト)ってのは逃げるための嘘か」




カピバラがオレの手首を絞める




カピバラ「よく考えりゃ物怪庵で働いてるような奴が盗みなんてしないよな。だろ？」




芦「いやッ！だから盗みなんてしてないしッ、物怪庵の奉公人(バイト)だから本当に！嘘じゃない！」




カピバラ「嘘吐きってやつは本当に泥棒になるんだなぁ」




カピバラがナイフでオレの前髪をあげる




カピバラ「この顔しっかり覚えたゾ！あとは二度と盗みなんてできないよう･･･」




芦「アンタさあ！マジで刃物(それ)危ないからッ！振りまわす･･･な」




カピバラ「この腕、使いモノにできなくしてやるよ！！」




ﾌﾞﾝｯ




この妖怪本気で切りかかってきた！？




カピバラが踏んできた




重ッッ




ｹﾞﾎｹﾞﾎ




カピバラがナイフを大きく振りかぶる



あーダメだ、どうしよ




ｶﾞｯ




ん？




ナイフが顔の横に刺さってる




狙いが外れた？




起き上がってみるとカピバラの顔に白い何かが張りついていた




カピバラ「何だッこいつ！！離れろこの野郎ッ」




え、この白いのって本物のモジャモジャ！？




−Abe side−




シ「店奥になければ店表(こっち)にあるはずなんじゃが･･･」




安「もしかし捨てたんじゃねぇの？」




シ「うーん。在庫表を捨てるってことはないはずじゃ。たぶん」




安「『たぶん』かよ」




シ「コウラ様の大事な薬の在庫表をなくすなんて何たる不覚！クビになったらシズクはこの先どうすれば･･･」




シズクが顔を青ざめる




安「一旦落ち着けシズク」




シ「ん？あれ？」




安「何か思い出したのか？」




シ「いやそうじゃのうて」




シ「ナツキと芦屋はどこへ行ったんじゃ？」




安「あ"？」




そういや、さっきから静かだと思ったら････




シズクが中に入ったんじゃないかと言っているが




安「それならここに芦屋(あいつ)の履き物があるはずだから違うだろ。それにAの履き物もない」




芦屋はまだしもAまで何も言わずにどっかへ行くはずがねぇ




それに地面に転がった材料が入った瓶




二人の履き物がない




てことは･･･




ｽｯ




安「コウラ、シズク。悪いが少しの間店を外すぞ」




シ「それは構わんが・・・」




コ「どこかに行くのォ？」




安「表に出てAとあの5歳児(芦屋)探してくる」

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