【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い

五ノ怪−禅子−(弐) ページ22

？「下手な嘘はよせ。正直に言えば今日は許してやる」



小学生に呆れられた･･･



アハハハハハハハ！！！！




芦「この笑い声は！」




もしかしてあの妖怪が落とした【笑面】の声！？




？「お父さん、もう起きたのか。･･･また笑ってる」




芦「え？この声キミのお父さんの笑い声なの？」




？「･･････あぁ」




？「ここ一ヶ月くらいずっとああして笑っているんだ」




？「それまでは滅多に笑わない頑固親父だったのに」




芦「！」




もしかして･･･



ミ『【笑面】は恐らく近付いた者の顔に取り憑いてしまっているはずです』




いや、たぶん




この子のお父さんに【笑面】が取り憑いているんだ！




芦「あのさ、キミにお願いがあるんだけど、キミのお父さんに会わせてもらえないかなぁ」




？「！？何で？会ってどうするの」




芦「信じられない話だと思うけどお父さんが笑い続けてるのは妖怪が原因かもしれないんだ」




？「妖怪！？」




芦「実は落としたお面は妖怪のお面でね。オレがそのお面を外せばお父さんはきっともとに戻るよ」




？「そうか、あんたはドロボーじゃなくてサギ師か」




芦「１ミクロンも信じてくれないね！」




？「寺で霊感商法とはいい度胸だな アタシは墓地の横でずっと育ってきたが幽霊・妖怪なんて見たことがないぞ」




芦「説得力があるな」




？「生まれてから15年間一度もな！」




芦「え？じゅうご･･･15年！？」




芦「キミ小学生じゃないの！？えぇウソ！？ちっさ！！」




？「この春から女子高生だ」




？「小学生だってこんな嘘に騙されないよ アンタの嘘5歳児レベル」




5歳児




デジャブ！！！！




？「全く･･･アンタ何者？いい加減にしないとケーサツ呼ぶぞ」




芦「うわっ、待って待って！」




芦「オレはドロボーでもサギ師でもない！マジで！！」




芦「もし騙すとしたらさすがにもっとハイレベルな嘘言えるから！！」




芦「妖怪の話は信じてくれなくてもいい。でもキミのお父さんのことはオレのこと信じて任せてほしい！」




？「『信じなくていいから信じろ』って･･･結果的にアタシは信じなきゃいけないだろ･･･矛盾してる」




そうか･･･！




芦「信じなくていいけど騙されたつもりで･･･違うな･･･何て言えばいいんだっ」

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