【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い

四ノ怪−参面−(伍) ページ20

ミツチグラ様は話を続ける




ミ「しかし、私が以前安倍様に祓って頂いたときに面の一つを現世に落としてしまったようなのです」




ミ「その面というのが【笑面】」




安「【笑面】はミツチグラ様を祓った“青流寺”って寺にあるはず」




安「それを取りに行くのにお前が適役なんだよ」




芦「話飛んでますよ！だからなぜそこでオレを指名！？」




ミ「【笑面】は恐らく近付いた者の顔に取り憑いてしまっているはずです」




ミ「一度顔に憑いた面は力業では外せません」




ミ「面を外す方法は一つ、【笑面】に泣き面を見せること」




ミ「その泣き役には芦屋様がピッタリだ、と安倍様がおっしゃりまして」




安「･･･得意だろ」




芦「別に特技じゃないですからねっ！」




「芦屋くん、きっとイツキは期待してるんだよ」




芦「そうなんですか？」




安「してねぇよ」




「してる」




ミ「お願いします芦屋様！！」




芦「その面被ってあなたが現世へ取りに行ったほうが早くないですか！？」




ミ「何をおっしゃる！許しのない者は隠世から現世へは行かれません だからここへ依頼に来たのですから」




ミツチグラ様は泣面をつけ号泣する




芦「分かりました！取りに行きますからそれ外して！」




ｽｯ




ミ「お願いします」




芦「何だろ･･･これはこれでイラッとする」




芦屋くんがボソっとこぼす




ミ「文句あんのか」




芦「ないです」




こわっ




安「物怪庵、青流寺の扉を出してくれ」




リンリン




物「青流町【青流寺】の扉を開きます」




ﾌﾞﾜｯ




ミ「いつまで座っとんじゃぁ立てよコラァ」




芦「はい！！」




芦「ん･･･あれ？もしかして安倍さんたちは来ないんですか？」




安「一つの物を取りに行くのに三人も人手は要らねぇし」




「もし不安なら一緒に行こうか？」




安「お前は行かんでいい。5歳児でも一人でお使いくらいできるだろ？」




芦「誰が5歳児か！」




芦「オレのお使いデビューは4歳です！」




安「それは知らねぇよ」




へぇー、芦屋くん4歳でお使いデビューなんだ･･･




私、一人でお使いしたことあったっけな･･･




どこに行くのにもイツキがいたからなぁ




芦「15歳のお使い力侮らないでくださいよ」




芦「お面と一緒に木魚ぐらい持ってきてやりますから！！」




「芦屋くん、それは窃盗だよ。犯罪」

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