【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い

二ノ怪−蟻犠−(肆) ページ12

安「俺が？怖いって･･･」




芦「だってさっきこんな顔したじゃないですか」




ぐわっとイツキの顔真似をする芦屋くん




安「絶対してねぇ」




芦「神山さんもこんな顔してました」




目をウルウルとさせる芦屋くん




「絶対してない！」




芦「学年も同じ、体格もオレとたいして変わらない。まぁ神山さんは女の子なんで違いますけど、妖怪が見える体質も同じ」




芦「“違う”部分より“同じ”部分のほうが多いですよ」




安/貴「！」




「イツキ、連れてってあげたら？」




安「Aまで･･･」




芦「がんばりますよ･･･オレ･･･！(ｶﾞｸｶﾞｸ」




さっきよりも震えている芦屋くん




安「説得力ないな」




安「ま いいだろ しっかりエサ役やれよ」




芦「はいっ･･･(ｶﾞｸｶﾞｸ」




「芦屋くん、ほんとに大丈夫？」




芦「だ、大丈夫」




ｶﾞﾗｯ





扉を開けるとそこにはこちらをじっと見つめる妖怪がいた




「ふ、増えてる」




芦「超オレのこと見てる･･･！」




安「相手は準備万全だ、行け芦屋！」




芦「ちょっ･･･ 背中押さないでくださいっ」




安「あ"？囮になるって自分で言ったんだろ」




芦「自分のタイミングで行きますから！ってかホント襲われる前に助けに来てくださいよ！」




安「んん 、あー行く行く」




生返事を返すイツキ




「芦屋くん安心して、イツキが行かなくても私が行くから！」




芦「おお！神山さん頼もしい！それに比べて安倍さんは･･･」




安「あﾞー！わぁったよ！」




ｸﾞｲｯ




「ちょっ、イツキ！」




薬？




安「これ貸してやる」




安「首から下げとけ」




芦「ん？これ何ですか？」




芦「これを持ってれば妖怪に襲われない･･･とか！」




安「そんな効力一切ねぇ」




「イツキ、いいの？」




安「いや、よくねえよ」





安「『やる気見せろ』って言ったろ」




安「お前が喰われてもたいして困んねぇが･･････それが喰われんのは困るから･･･」




イツキ･･･




芦「『困るから･･･お前が喰われる前に必ず助けに行く俺を信じろ』ってことですか？」




「え、そうだったの？いつからそんな優しくなったの」




安「ウザいっ！！」




ﾄﾞｽｯ




イツキが芦屋くんをけり、芦屋くんは廊下に出る




「あっ」




芦「うわああああああ！！！！」




「芦屋くん！！」




芦屋くんが危ない！

二ノ怪ー蟻犠ー(伍)/三ノ怪ー根憑(壱)→←二ノ怪−蟻犠−(参)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す