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お母さんに言われたんだ。
恋をするなら、自分の全てを明け渡してもいいと思える人にしなさいって。
だから、私はそんな人が現れるのを、ずっと待っていたんだ。
四六時中その人のことばかりで頭がいっぱいで。
その人の為ならば、何だってしてあげたくて。
そして、出来れば、その人から同じくらいの感情が欲しいって。
そう思ってたんだ。
だから、あなたに会った時、私の運命は既に決められていたのかもしれない。
でも、皆は言う。私の事、おかしいって。可哀想だって。魔法使いに唆された哀れな女だって。
そうなのかな。私、変なのかな。
この人を好きだと思う気持ち。
この人のそばにずっといたいという想い。
そんな誰もが望むような囁かな願いさえも、許されないことなのだろうか。
ねえ、貴方はどう思う？
｢さあ。分かりません｣
私の問いに、この人はどうでもいいみたいに答える。
私が問いかけた意味も、その内容も、理由も、彼にとっては天井のシミみたいにどうだっていい事で、興味もないのだろう。
｢でも、貴方がそれでいいなら、いいんじゃないんですか｣
でも、どうでもいいからこそ、きっと私にとって真理に近い答えを叩き出しちゃうんだろうなあって。
彼と一緒にいると、時々はっとさせられることがある。
だって、彼は嘘をつかない。
嘘をつく理由がないからだ。
そんな強さが彼にはある。
だからこそ、彼の言葉は紛れもない真実で、ほっとする。
｢ーーーうん、そうだね！！｣
ぎゅっと彼の頬に引っ付く。
この布と綿の塊じゃ、彼の温度は分からない。
それを寂しいと思う気持ちは随分と前に何処かに置き忘れてしまった。
それでも、私はぎゅっとぎゅっと引っ付いて抱きしめる。
｢邪魔です｣
｢えへへ、ミスラ、好きだよー！！｣
｢はあ、そうですか｣
私と貴方が見つけた答えが合っているかは分からない。
もしかしたら、私はすごく可哀想なことになってるかもしれないし、最悪な未来がずっと先に待っているのかもしれない。
それでも、私はきっと後悔しないし、彼への想いを否定したりしないだろう。
そう確信しているし、とうの昔に覚悟しちゃってるんだ。
そんな私を、ある双子は呆れたように、でも何処か楽しげにこう言った。
ーーー"恋は盲目"とは正にこのことじゃな、と。
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あいねこ - 最高です。キャラクターとの関係性が素敵すぎます！素敵なお話をありがとうございます。更新楽しみにしております。 (2021年4月19日 2時) (
レス) id: 650a36dc0f (このIDを非表示/違反報告)
藤李 - ぬいぐるみが主人公とは珍しいですね！とっても面白かったです！続き待ってます！o(*ﾟ∀ﾟ*)o (2020年4月14日 19時) (レス) id: b71c5bc041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星子 | 作成日時：2020年2月29日 2時
