SOAR

手に負えない ページ19

颯太side





舞台に向けたかくし芸の練習中。





『颯ちゃんすごーい！』





子どもを褒めるみたいに
なんなら自分が子どもみたいにはしゃいで
体育館に響き渡る大声と拍手。


串刺しの投げる担当がAさんに決まったけど
今日はオタクは消えないらしい。





『颯ちゃん、ほんっとになんでもできる！器用！』


「僕、やればできる子なんで」


『その上、かわいくて歌も上手いなんて…
天は二物も三物も与えるんだよ…』


「Aさん、音痴ですもんね」


『ちょっと滑舌悪くて
ツッコミと見せかけてたまに抜けてて…』





あ、珍しい、スルーやな。





『そうそう、天は二物を与えず音痴……大きなお世話！』




1人ノリツッコミがすごいんですよ。





「早く次の投げてもらっていいですか？」


『厳しい！そんなとこもいいっ！』


「Aさんって何気にMですよね」


『分かってないねぇ。どっちかっていうとS』


「いや、どこが」


『次は苺です！』


「無視やん！しかも苺小っさ！」


『颯ちゃんと苺のツーショット最高すぎない！？』


「もうツッコむのやめていいですか？」


『はい！行くよ！』





有無を言わせず勢いよく投げられた苺、
格段に難易度上がってるし、刺さるわけもなく…





「うわー！難すぎやって！」


『失敗した時の顔もかわいい！』





めちゃくちゃ悔しがる僕をよそに
やっぱり相変わらず。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す