Dear Destiny ~僕が見える君と~

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『とりあえず…
特に会う理由もないんだし私が呼ぶの待っててよ。
どうやって呼ぶかは分かんないけど…』


「それがそうもいかないんだよね」


『なんで？なんか用あるの？』


「僕だって君に会いたい」


『……へ？』


「なに？また変わったリアクションして」


『お使いさん、なに言ってんの…？』


「だから、君に会いたいって」


『そういうの人間の世界では…』


「なに？」


『なんでもない…』




さっきは僕に"なんでもない"って言うな！
みたいなこと言ってたくせに今度は君が言って
なぜか両手で顔を隠してしまう。


なんでもなくないってこと？


でもすぐにそれをやめて
今度は立ち上がってちょっと怒ってる。





『ていうか！
私も会いたがってるみたいな言い方やめてよね！』



「え？会いたくないの？」



『……会いたいよ！』



「よかった、一緒だね。僕も会いたい」



『もう…この話終わり！』



「え？なんで？」






僕をどうやって呼んでるか分からないって
言ってたけど、僕の予想ではきっと
君が僕に会いたいって思ったら呼べるんだと思う。



だとしたら、こんなに嬉しいことはないよね。









はっきりした名前のないこの気持ちだったけど


僕は君に会いたくて

君も僕に会いたくて


名前をつけるにはもうそれだけで十分だった。

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