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おかしいです。 ページ18

「……落ち着いたか?」


「…っ…はいっ、すみません取り乱して。」


「別にいい。お前がこうやって俺に話すようになったのはいい事だしな。」



私を抱きしめていた降谷さんは、今度は離れてから、私の涙を指で拭ってくれた。


ほんと私子どもみたい。



「でも…お前、ほんと泣き虫だな」


「…っ…なっ!?」


「だって、そうだろ?お前はよく泣く。しかも自分の事じゃなくて人のために涙を流すだろ」


「……別にそんなことないです。」




私はそんな綺麗な人間じゃない。

この世界に来て多くの人を見殺しにしているようなものなんだから。




「そんなことあるんだよ。今の事件にしても、スコッチの件にしてもお前が苦しむ必要はない。」


「で、でもっ!!私がもっとちゃんとしてたら助かったかもしれ…「A。」




降谷さんは私の両肩をガッチリとつかんで、私の目を見る。

貫かれるような視線に、私は何も言えずに固まる。



「たとえ未来を知っているからって、お前はそんなに色々背負わなくていいんだよ。もっと気楽に生きろ。」


「気楽……に?」


「そうだ。」


「………。」


「できるな?」


「……はいっ」



降谷さんは私の返事によし。と言って笑顔で頭を撫でる。


背負う必要は無い。気楽に生きていい。


それだけの言葉なのに私の心は軽くなった。

涙も自然と止まる。


自分でもおかしいと思う。

数分前まで泣きじゃくって精神的に不安定になっていたのに、降谷さんの行動と言葉1つで全て解決する。


降谷さんで私の心は左右されて振り回される。


けど、私自身それを嫌だとは思わなくて、むしろその方が心地いいと思ってしまう。




「……やっぱずるいなぁ。」



そう小さく呟いた言葉は降谷さんに聞こえたか聞こえてないかはわからない。


けど、顔をあげて見えた降谷さんの表情は柔らかかった。

病は気からです。→←絶望します。



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設定タグ:名探偵コナン , トリップ , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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青龍 葵(プロフ) - 脱字があります!「すぐ帰ります」で「…ちょっと○○そんに会って欲しい奴がいるんだ」の『○○そんに』とは何でしょうか? (2018年7月26日 17時) (レス) id: 970e92a440 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 零さん» 返事おくれました!嬉しいコメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月7日 23時) (レス) id: fb8724423b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも楽しみに読んでます!!続編も頑張って下さい! (2017年4月30日 21時) (レス) id: f4f2fc359b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 唯さん» ありがとうございます! (2017年4月30日 19時) (レス) id: a2b81a1195 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いです!!更新頑張って下さい (2017年4月25日 3時) (レス) id: 0cdca89a6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年3月30日 23時

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