絶望します。 ページ17
｢A？｣
｢………。｣
｢おい、A？どうした？｣
10億円強奪事件……。
犯人は哀ちゃんの姉の宮野明美さん。
たしか哀ちゃんを組織から抜けさせるためにジンの言いなりになったんだよね。
けど、この事件に関してはそれくらいしか覚えていない。
救うことが出来ない。
彼女こそ救うべき人だったはずなのに。
自分が情けない。こんなことなら名探偵コナンを熟知しておくべきだった。
｢…………。｣
｢……もしかして、お前この事件が起こることを知っていたのか？｣
｢ーーっっ!!｣
降谷さんは鋭い。でも私にも疑問はある。
｢降谷さんは、逆に知らないんですか？……黒の組織に潜入しているのに。｣
｢……は？何をいきなり……まさかっ、この事件!?｣
｢そうです……黒の組織が一枚噛んでます。｣
降谷さんは知らなかったのか。
でもまぁ無理もないよね。
たしか宮野明美さんはコードネームはもらってなかったはずだし。
｢……犯人が黒ずくめの奴らなのか？｣
｢いえ、違います。……黒ずくめに利用された悲しい女性です｣
｢悲しいってお前……｣
降谷さんがまさかという顔をする。
そのまさかですよ。
｢犯人であるその彼女は死にます。……ジンに撃たれて。｣
｢ーーっっ!!!｣
降谷さんの顔が歪むと同時に自分の顔が歪むのが分かった。
そして、私の目には涙がたまり始めていた。
｢死にますってことはまだなんだな？じゃあ今からその人を助けに…｢無理ですっ｣
｢それはどういうことだ｣
｢すみませんっ…今回の事件は、松田さんの時とは違って、彼女が亡くなる場所も、彼女が起こす行動も覚えていないんですっ……｣
｢…………。｣
｢ただ……ただ覚えているのは彼女が銃で撃たれて亡くなること。そして……その後彼女の死で悲しむ人間が現れること……。｣
哀ちゃんはもちろん赤井さんもだ……。
悲しい結末を知っているのに何も出来ない自分に絶望して、
そして一気に罪悪感に駆られる。
｢……っ…ごめん、なさいっ……私はっ、知っているのに…なにもできないっ……｣
｢…………それはお前は悪くないだろ？｣
｢でもっ……っ…｣
涙を流す私を降谷さんが優しく抱きしめる。
泣きじゃくる子供を安心させるように。
｢……っ…うぅっ…｣
それでも涙が止まることはなかった。
そんな私に降谷さんは頭を撫でながらこう言い続けた。
“お前のせいじゃない”
って。
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青龍 葵(プロフ) - 脱字があります！「すぐ帰ります」で「…ちょっと○○そんに会って欲しい奴がいるんだ」の『○○そんに』とは何でしょうか？ (2018年7月26日 17時) (
レス) id: 970e92a440 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 零さん» 返事おくれました！嬉しいコメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年5月7日 23時) (レス) id: fb8724423b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いつも楽しみに読んでます！！続編も頑張って下さい！ (2017年4月30日 21時) (レス) id: f4f2fc359b (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 唯さん» ありがとうございます！ (2017年4月30日 19時) (レス) id: a2b81a1195 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - とっても面白いです!!更新頑張って下さい (2017年4月25日 3時) (レス) id: 0cdca89a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐
| 作成日時：2017年3月30日 23時
