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「(えーーー…人違いかなぁ人違いがいいなぁ、だって知らないもん誰この子。俺お兄ちゃんじゃないし急に助けてって言われてもて言うかぶつかったんだからごめんなさいくらい言っ)」
「お願い!!」
プシッ、とグレープ味の炭酸の蓋が開く。それと同時に溢れるように玄矩の中では「どうしようか」という思考が飛び交った。少女は10歳前後か、大分小さく190cmの壁のように大きい玄矩とは比べ物にならない。助けるのが普通。でも警察行った方がいいと思う助けてほしいなら。
そう考える間にも、少女は助けを求めてきた。転んだのが痛いのか、それとも助けてほしいからなのか。涙袋には溢れるほど水が溜まっている。相当切羽詰まっているようだ。
玄矩は「お嬢ちゃん」と声を掛け、目線が合うように屈んだ。──つもりなのだが。これ程の大男だ、小さい少女からすれば、巨人が自分を覗き込むようなものなのだ。
「ぴゃああああ」
「は!!!??」
少女は我慢できずに泣き出した。ぼろぼろと溢れる涙は大粒で、止めどなく流れていく。玄矩は理解できない、という風に頭を掻く。なんだコイツ。なんで泣くんだ。
ふ、と周りを見れば、自分に向けられている冷ややかな目。「…いやいやいやいやいや…俺が泣かした訳じゃないんですけど？」そう思いながら玄矩は顔をひきつらせた。玄矩は深い深い溜め息を吐き、数回キョロキョロと周りを見た後諦めたように肩を落とした。
そして、泣きわめく少女の頭にグレープジュースを乗せる。
「嬢ちゃん、これやるから泣き止んで。俺がヤバい奴みたいに思われるだろ。助けてやっから」
──果たして、何もしなくてもヤバい奴に見られていると気付いているのだろうか。
それはさておき、玄矩が少女の頭の上に乗せたグレープジュースのペットボトルは冷たく、水滴が付いたままだった。不思議とその冷たさが少女を冷静にしていく。ひっく、としゃっくりをしながら少女はコクンと頷き、涙を拭った。
はぁ、と玄矩は溜め息を吐く。この騒がしい街中なのなら迷子が妥当だろうか？ 近くのベンチに少女を座らせ、事情を聞く事にした。
小さな手にペットボトルを持ち、少女は不安そうに言った。
「お母さんが帰ってこないの」
「…ほう。警察に言った方がいいんじゃないかね」
「違うの。“口裂け女”に会ってから、お母さんぼーっとしてて帰ってこなくなっちゃった」
玄矩は頬杖を付きながらも大きく目を見開いた。
「“口裂け…女”？」
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Ｒ!Ｎ(プロフ) - すんげぇ…かっこいいですね (2019年12月13日 0時) (
レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます、勿論です！ 是非描かせて頂きたいです！ (2019年10月21日 0時) (レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - わ〜ﾂﾂフォーマルな玄矩君めっちゃかっこいいです…！優先順位は低めで大丈夫なので、暇ができましたら攸のドレスコードを描いていただけないでしょうか…？よろしくお願いします！ (2019年10月20日 23時) (レス) id: a16637a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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