メンバーにたった一人の女の子 〜短編集〜 ３ 〈フィッシャーズ〉

悪夢 ページ19

マサイ
「ここ、どこだ？」

目を開けると見知らぬ場所…

マサイ
「Aー！どこだー！」

振り返ると、Aの後ろ姿があった

マサイ
「A！心配し……」

ビチャ…

マサイ
「！？」

辺り一面に飛び散る紅と、ドサッと倒れるA

マサイ
「えっ……A…？」

恐る恐る顔を上げると…

マサイ
「っ……うわああぁぁー！」

殺人ピエロが目の前に立っていた

チェンソーをガンガン鳴らして、振りかざしてくる

怖くなって、逃げ出した

マサイ
「はぁはぁ…なんなんだよ！出口どこだよ！あっ！」

何かに足を掴まれ、転んだ

見ると、地面からこちらを見ていて笑ってるピエロ

マサイ
「やめろ！離せ！離せよ！」

あっという間にたくさんのピエロに囲まれ…

マサイ
「嫌だ……やめろー！！」

………

マサイ
「やめろ！やめろー！！……はっ！？」

目を開けると、天井と棚に飾ってある写真…

横には心配そうに俺を見るA

『どうしたの？大丈夫？凄く魘されてたというか……！？ま、マサイ？』

Aの温もりが欲しくて、強く抱きしめた

マサイ
「うぅっ……んっ………ご、ごめん……しばらくこうさせて……」

『うん、いいよ。気が済むまでいいから』

俺が声を殺して泣いていてると、背中を優しく叩いてくれるAの手の温もりが伝わってきた

マサイ
「ありがと……悪夢を見てさ………」

『悪夢？』

マサイ
「殺人ピエロが襲ってくる夢……夢の中でAは……殺されてたんだ………怖くて怖くて…逃げても追いかけてきて…足を掴まれて……で、終わった……」

やばい……

俺みたいないい大人がこんなことで泣くなんて……

ふわっと、Aが俺の顔に近づき頬に優しくキスを落とした

『私はずっといる。ね？あと、泣きたい時には泣きな？私もマサイのことで、ちょっと気になっててさ…』

マサイ
「ん？」

『目の下のクマ…前よりも広がってきてるよ。寝てないんでしょ？それのせいも悪夢を見ちゃう原因とかにもなりうるから、しっかりと睡眠とって！』

マサイ
「でも…」

『縛り付けてでも寝かすよ？』

マサイ
「わ、わ、わかった…w」

しっかり睡眠とったら、悪夢を見る回数がかなり減ったわww

縛り付けられるのだけは嫌だww

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