猫、飛びかかる ページ20
へし切長谷部
「ここから出て行け！お前の居場所は無い！」
へし切長谷部の怒鳴り声が本丸に響く。何事かと思い、声のした方に向かう数振り。
加州清光
「あんたはっ！」
大和守安定
「何でここにいるんだよ！」
2振りが声を上げる。実はここに来た男、以前ここで審神者をしていた男なのだ。当然、酷い仕打ちをされてきた刀剣からすれば一刻も早く追い出す、はたまた切り刻んでやると思っている。
「俺の本丸を綺麗にしてくれた奴は誰だ？礼を言わねぇとなぁ。ありがとうって」
一期一振
「ふざけないでください。もう2度と話せないように、喉元を斬ってやりましょうか」
「はっ、面白いことを言うもんだぜ」
兄弟の多い一期一振。自分もこの男の被害者だが、弟たちがどれだけ悲しみ、苦しんできたかを目の前で見ている。弟たちに手出しはさせまいと、刀を向け殺意を露わにする。
「お前らがこんな綺麗に治ってんだ。誰かがやってくれたんだろ？呼んでこいよ、そんで俺と交代だ。元の主が帰って来たって言ってやれ」
三日月宗近
「生憎だが、ここに審神者はおらぬ」
「あ？んなわけねぇだろ？審神者がいるからお前らが治ってんだろうが。いいからさっさと呼んでこいよ！」
このやり取りを、本丸の屋根からじーっと見ている1人。いや、1匹。
三日月宗近は何とかして主(黒猫)を守ろうと、じじい特有のおっとり口調で誤魔化している。だが、そんな三日月でも声色からは殺意や威圧感を感じる。
三日月宗近
「そうカリカリするでない。もし暴れたとなれば、俺達は容赦なくお主に刀を向ける」
「チッ。どこだよ、ここの審神者！さっさと出てこい！俺がここの主だ！」
チリン…
この男と三日月の間に突如現れた黒猫。三日月の方を見て、そして男の方へ向き直る。
「何だこいつ。黒猫？可愛いなぁお前。こいつらに話しても埒が明かねぇんだよ。ここの審神者を知らねぇか？俺はここで以前審神者をやっていたんだ。戻って来たから呼んで来てくれ」
黒猫は男が話してる最中、何食わぬ顔で毛繕いを始める。一期一振やへし切長谷部ら数振りはヒヤヒヤしているが、三日月はそんな素振りを見せない。むしろ、流石主だと思っているようだ。
少々苛つきを見せる男。
「…なぁ、毛繕い終わってからでいいから頼むぜ？」
__んにゃぅ？
「だーかーらー！ここの審神者を呼んでこい！」
男が黒猫に掴みかかろうと手を伸ばすと、ひらりと躱し、＿＿シャーッ！と爪を出し飛びかかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミライ(プロフ) - まーちゃんさん» コメントありがとうございます。構想は練っているのでいつかは文字にして書きたいと思います。 (4月24日 0時) (
レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。 できたら学校でいじめられてる子がブラック本丸の審神者になる﹆そう言う夢小説が読みたいです 出来たらで大丈夫です。これからも頑張ってください (4月24日 0時) (レス) id: 6350c1876f (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - ローズクロスさん» ありがとうございます！ (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
ローズクロス(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み始めてから毎日、更新を楽しみにしてました☺ (4月22日 21時) (レス) id: 928643df23 (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - 赤瑪瑙さん» ありがとうございます！ (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミライ | 作成日時：2024年1月26日 0時
