猫、治す ページ17
それから帰還するたびに、隊長は報告書を各々で作成する習慣がついてきた。
ある出陣で隊長を任せられた鶴丸国永。彼らが帰還してきた時、主(黒猫)が鶴丸の足元でにゃんにゃん鳴く。だが、何のことに鳴いているのかわからなかったので、早く報告書を書くように言われてると思い、早急に仕上げてきたのだ。
鶴丸国永
「主、ほら、書いてきたぜ。俺だってこのくらいはやるさ」
__んにゃ〜ぉ
鶴丸国永
「なんだ?」
__にゃぁ〜ん
鶴丸国永
「ん?」
聞いても全くなんて言ってるのかわからんと言う顔をする鶴丸。そんな彼に構わず、にゃんにゃん鳴きながら周囲をぐるぐる回る。あまりに回るものだから、こっちの目が回りそうになる。主の部屋に来て座り込む鶴丸。
鶴丸国永
「報告書じゃないのか?」
__んにゃぁ
鶴丸国永
「報告書か?」
__にゃあぁ
鶴丸国永
「…だめだ。全然わからない」
燭台切光忠
「鶴さん。何かあったかい?」
鶴丸国永
「それが、主がにゃんにゃんってずっと俺に言ってきててな。何か伝えようとしてるのはわかるんだが、その何かがわからなくて頭を抱えてたんだ」
燭台切光忠
「そうだったんだね。主〜、何か鶴さんに伝えたいことあるのかい?」
__んにゃぁ〜ぉ
鶴丸国永
「ずっとこれなんだ」
共に出陣して帰還した燭台切光忠もさすがにお手上げ。そんな2振りを見た主(黒猫)は、鳴きながら座り込む鶴丸の腕に強く擦り寄る。
鶴丸国永
「ちょ、主!」
__(ジー)
鶴丸国永
「…お見通しってことか」
時間遡行軍との戦闘で腕に怪我を負った鶴丸、それを包帯を巻き、内番服を着て隠していたのだ。綺麗で透き通る瞳でじーっと見られたら、見透かされてるようで、隠していられるわけがない。
燭台切光忠
「鶴さん、怪我してたの?」
鶴丸国永
「あぁ、だが掠り傷だ。どうってことないって思ってたが、見つかっちまったか」
こんな小さな怪我すら主(黒猫)は見逃さない。ずっとにゃんにゃん言ってたのも、この怪我のことだろう。腕を捲り包帯を取ると、怪我が綺麗さっぱり無くなっていた。
鶴丸国永
「こりゃ驚いた。ありがとな、主。お礼に抱っこしてやるよ」
__んにゃああぁぁ!
189人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミライ(プロフ) - まーちゃんさん» コメントありがとうございます。構想は練っているのでいつかは文字にして書きたいと思います。 (4月24日 0時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。 できたら学校でいじめられてる子がブラック本丸の審神者になる﹆そう言う夢小説が読みたいです 出来たらで大丈夫です。これからも頑張ってください (4月24日 0時) (レス) id: 6350c1876f (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - ローズクロスさん» ありがとうございます! (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
ローズクロス(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み始めてから毎日、更新を楽しみにしてました☺ (4月22日 21時) (レス) id: 928643df23 (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - 赤瑪瑙さん» ありがとうございます! (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミライ | 作成日時:2024年1月26日 0時