解けゆく心〈フィッシャーズ〉

隠すことを ページ18

モトキ
「うーん…やっぱり…」



つけられてる…

間違いなくストーカーだねこれ…

シルクなんか家まで来たっていうし…

せっかく引っ越したのに…

Aと一緒に居れると思ったのに…

そんなことを考えながらシルクの家を出た



『魁！』

モトキ
「！」



マンションのエントランスにAがいた

テクテクと歩み寄ってきて



『はい』

モトキ
「これは？」

『あのね、あのね……お揃いにしたかったの…』



首に巻いてくれたのは、マフラー

丁寧に巻いて、風が入らないように



『か、魁？』



知らずのうちに、Aを抱きしめていた



モトキ
「少しこうさせて…A、あったかい…」

『魁も…』



家まで手を繋いで帰る

ストーカーは気になった…



『どうしたの？』

モトキ
「ちょっとね…」

『そっか…』



Aは巻き込みたくない

ごめん…

隠すことを許して…

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