イケメンにはろくな奴がいない【警察学校組】 (ページ30)

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Episode28 ページ30

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『………私は逃げたくない。イケメンだからっていうレッテルを貼って人と関わることを私は拒んでたんだと思う。だから、私は逃げたくない。少しだけでも前を向いて、自分を変えたいんだ』

ずっと、逃げてばかりいた。時が経つごとに不鮮明になっていくあの時の記憶を思い出しながら。何で、私がイケメン嫌いになったのか、もうあまり覚えていない。

だけど、無意識に＂何かを＂思い出し避けていたんだ。私にとって人生の転機とも言える記憶だったかもしれない。なのに、何故こんなに覚えていないのか。

だけど今はそんなことどうでもいいんだ。今は少しでも前を向きたいと思うから。

『………だから、少しずつ、みんなに慣れていくように努力するよ。少しでも変われるように。避けるんじゃなくて、自分から積極的にみんなに仲間って言ってもらえるように。胸張ってみんなの仲間って言えるように。
だから私はイケメンを克服できるようになりたい』

松田くんは私の方を見ながら真剣に聞いてくれていた。そして、私の瞳をじっと見ていた。少しだけ、ドキドキした。睫毛は長く、とても整った顔立ち。そんなに見つめられると流石に私も恥ずかしかった。

「………良い目してるな」

『………え？』

「いつもは中途半端な少し迷いがあるような目をしていたけど、今のお前すげぇ良い目してる」

松田くんが私を見ていたのは私の瞳がいつもと違うって思ったからなんだ。少し、嬉しいような残念なような。でも私がきっとこんな目になれたのは、松田くんたちのおかげなんだろうな。

『これもきっと松田くんたちのおかげだ「おい！！そんな場所にいたらバレるだろ！！」

………………ん？

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