【NARUTO】茜色の暗部＜２＞

＜許せなかった＞ ページ24

ただ一人、暗いなかを走った。


ただひたすら、走った。


行き先なんか、決めちゃいない。


とにかく、走った。



「っ！！」



気づけばイナリくんがカイザさんと出会ったといっていた場所に着いていた


静かな夜には川の流れる音が良く聞こえる



「ははっ…こんな所まで走ってきちゃったんだ…」



少し落ち着こう、そう思い足をぶら下げるようにして川辺に座る


水面に自分の顔が映った


なんだか死んだ魚のような眼をしている



「……醜い顔」



こういう時に泣いたら可愛げがあるのかなー、なんて


そういえばいつから泣いてないんだっけ？


それさえも忘れてしまった



「…やっと見つけたぞ」



背中にぬくもりが感じる


誰かに後ろから抱きつかれているのか


この香りを……僕はよく知ってる



「…サスケ？」


「お前はいったいどこまで来てるんだこのバカが」


「…ごめん」


「まさかお前があんなに怒るとはな」


「…辛いのが自分だけだと思っていることが許せなかった。

親がいないのなんてナルトもサスケも…僕も同じなのに。

それに親が殺されたのだって…」



この先の言葉は…思わずのみ込んだ

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