無色透明な心にさよなら【名前変換オリジナル】

ep.38 ページ38

貴方side





あれから、海斗くんはまたサークルに顔を出してくれるようになった。


バイトはしばらく翔也さんとシフトが被らないから助かった。






最近なんだか、色んなことが起こって…

思いもよらない事とか知らないことがどんどん私の中に流れ込んできた。









海斗「あ、今日は髪結んでるんだ」



「うん、バイトの時と運動する時と…暑くなってきたからかな？」





海斗「似合いますね」



「あ、ありがとう…」







なんだか照れる…。


前よりも仲良くなれてるんだろう。
私と海斗くんは大学でも一緒にいることが増えた。


男の子の友達が少なかった私からするととても不思議なことではあるが、毎日が少しだけ…悪くないって思えているんだ。








海斗「ってか、このサークルって本当に飲みサーなんすね〜」


「私が入った時からまともに映画鑑賞なんてしてないんだよ」



海斗「サークル名詐欺じゃん」


「確かにね！笑」









それに前よりも…自然に笑えることが増えた。


なんだかそれだけで心が楽になる。




他の人と違う私を、受け入れてくれる人がいるだけでこんなに世界って変わるんだ。









無色で…何も感じられなくて

透明で…何も無くて






私の世界はいつもそうだったのに





いつの間にか世界は動き始めて、私の知らないことが少しずつ風のように体に染み込んでいく。

ep.39→←ep.37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す