無色透明な心にさよなら【名前変換オリジナル】

ep.26 ページ26

夏希「お前、さっき心織さん来てたぞ」






翔也「え、まじ？？もうちょい早く来れば良かったなぁ〜」



夏希「梨花ちゃん心織さん見てビビってたぞ笑」









翔也「ああ〜会うの初めてだっけ？」


「…はい」









翔也「へへっ、美人だろ？///」









「そうですね、とても綺麗な人でした…」








やめて…もうヤダ…

こんな気持ち知りたくなかった。









夏希「ほんと、お前と1年も付き合ってくれてるなんて奇跡みたいだな笑」




翔也「うるせー！笑そろそろ支度すんぞ！！」









どうしよう、仕事が手につかない。

しっかりしなきゃ…プライベートとお仕事は別に考えなきゃいけないのに








翔也さんみたいな素敵な人に彼女が居ないことの方が珍しいんだと思う。


それでも私はそんな事考えてもいなくて、ただただ呑気に恋をしていて……









翔也「梨花ちゃん？」









「…っ！」








私、ばかだなぁ…









――――――――――――――――





夏希「今日はもう帰った方がいいよ」


翔也「梨花ちゃんがそんなに顔色悪くするなんて珍しいよ」




「…すみません」




心配までかけて、何も手につかなくて…
本当にダメだ。








翔也「送っていこうか？」

「いえ、電車ですぐなので…」


翔也「そっか、気をつけてね」




「…はい」







私は翔也さんの顔を極力見ないでドアを閉めた。


――――――――――パタン…




ごめんなさい、本当は初めて知る感情に着いていけないから



苦しくて苦しくて…多分悲しい。




今までどんな泣ける映画を見ても何も感じなくて
どんな大きな賞を貰っても何も感じなくて



感情なんてないはずなのに…









「…痛い」





恋が始まって、これからたくさんの感情が知れるんだと思っていた…




でもダメなんだ。





私は、スタートラインに立つことも出来ないんだ。









志緒「あ！梨花さん！今日は早いですね…」



「ごめん、急いでるから…！」







志緒「…？？」









色んな色で塗られたはずのキャンパスは、再び白紙に引き戻された。

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